バチカン市国は聖座とは法的に別個であり、その存在は聖座の独立を支えています。したがって、イタリアの雇用主に適用される法律が、バチカンの機関での勤務に自動的に適用されるわけではありません。総督府長官は事務総長の支援を受け、総督府の運営と人事措置を監督します。関連機関には、人事局、人事委員会、一般職員採用委員会、懲戒委員会、インフラ、通信、治安、保健、美術館・文化遺産、教皇別荘を担当する各局が含まれます。 人事局は人事記録を保管し、給与、福利厚生、年金、支払いを管理し、選考を支援し、雇用関係を扱い、研修を企画し、外部企業が関係する雇用関係を監視します。外部委託業務には承認が必要な場合があります。公開情報で確認できる一般的な応募条件、選考期限、給与一覧表はありません。公式の応募料や標準的な応募費用も定められていません。現地慣行によると、採用は試用期間から始まりますが、その期間は公表情報で確認されていません。その後、信仰宣言と忠誠の誓いが求められる場合があります。 職員には、専門的で効果的な業務、忠誠、適法な指示への従属、正当な機関利益の保護、公務上の秘密の遵守、カトリック教会の社会教説の尊重が求められます。保健衛生局が健康、公衆衛生、衛生管理を担当します。職場安全衛生サービス(Servizio per la Sicurezza e la Salute dei Lavoratori nei Luoghi di Lavoro)は総督府長官のもとで職場の安全衛生を担当します。リスク評価、リスク評価文書(Documento di valutazione dei rischi)、予防、緊急対応、応急処置、認証、研修、健康監視、検査を扱います。雇用主または法定代表者、および任命された安全担当代表者または責任者が責任を負います。安全に関する指導、保護具、健康診断、研修は、労働時間内に労働者の費用負担なく行われます。 使徒座労働局(ULSA)は、総督府および直接管理機関の契約職員に関する労働問題を扱う機関です。この文脈でULSAは、管轄権を持つバチカンの労働当局を指します。ULSA評議会には、職員が選ぶ4人の人事代表が含まれ、その内訳は聖職者1人、修道者1人、一般信徒2人です。調査した公式資料では、労働組合または労使協議会に直接相当する機関は確認できません。ULSAは規則の調和、職員の移動、社会的保護、継続研修も支援します。 対象となる契約職員の個別、複数、集団労働紛争では、通常、ULSAまたはバチカン司法当局による調停が必要です。受理可能性の審査には最長30日かかることがあります。局長による調停は最長90日、評議会による調停は最長180日かかることがあります。調停が不成立の場合、調停・仲裁委員会またはバチカン司法当局への申立ては、通常60日以内に行う必要があります。請求権は一般に5年で時効になります。懲戒手続きと内部行政不服申立てには別の経路があります。 組織変更では、総督府長官が一時的な追加職務や合同業務ユニットを命じることができます。人事、選考、懲戒の各委員会が、人員配置と変更管理の正式な枠組みを担います。聖座・イタリア社会保障条約と2004年の行政協定は、越境する社会的保護に関係する場合がありますが、イタリア制度が一般に自動適用されることを意味しません。実際の扱いは、まず雇用機関、職員区分、契約、適用されるバチカン規則によって決まります。
バチカン市国の雇用主
バチカン市国の雇用主は、該当するバチカン機関内で採用、雇用、監督、職場の安全、職員管理を行います。バチカン市国の業務では総督府(Governatorato)が確立された現地の雇用主枠組みですが、聖座や使徒座の行政機関における雇用形態はより分散しています。人事局は記録、給与、福利厚生、年金、研修、雇用関係を管理します。直接管理機関、契約職員、その他の機関間の取り決めでは、義務と手続きが異なることがあります。
ヒント
雇用機関、職員区分、適用されるバチカン規則を最初に確認してください。イタリアの雇用枠組みや単一のバチカン手続きが適用されると想定しないでください。採用、安全、給与、福利厚生、年金、研修、監督に関する雇用記録を整え、人事局、雇用する局、外部企業のどこが各義務を担うのか確認しましょう。紛争ではULSAの管轄と手続きの日付を確認してください。調停や不服申立ての期限が利用できる救済に影響することがあります。

