雇用者は遅くとも勤務開始日までに書面による雇用契約を作成し、双方へ1部ずつ渡す必要があります。口頭合意も有効な雇用関係を生じさせることがあり、通常は無期雇用契約(CDI)として扱われます。契約には当事者、開始日、勤務地、職務、労働時間、勤務予定、賃金と指数調整、有給休暇、予告期間、試用期間、適用される労働協約を記載します。条項で法定保護を減らすことはできませんが、従業員に有利な条件を設けることはできます。 有期雇用契約(CDD)は、更新を含め最長24か月で、通常は2回を超えて更新できません。試用期間は書面で合意し、少なくとも2週間とします。最長期間は、CATPまたはDAP資格のない人は3か月、CATP・DAPまたは上位資格のある人は6か月、月額総賃金が5,188.69ユーロに達する場合は12か月です。同じ雇用関係で設けられる試用期間は通常1回です。病気や家族休暇で試用期間が中断することがあり、最長1か月延長される場合があります。 通常労働時間は1日8時間、週40時間です。時間外労働を含めると、1日10時間、週48時間まで延びる場合があります。従業員には通常、毎日少なくとも11時間、毎週44時間の休息が必要です。夜間労働の平均は、7日間における24時間ごとに8時間を超えてはなりません。時間外労働は1時間につき1.5時間の代休、または少なくとも140%の賃金で補償します。ルクセンブルクには法定祝日が11日あり、その日に働いた場合は特別な補償や代休規則が適用されます。 賃金は通常自由に合意できますが、該当する法定または労働協約上の最低額を下回れません。2026年6月1日、指数992.24時点の社会最低賃金(salaire social minimum、SSM)は、18歳以上の非熟練者が月額総支給2,771.33ユーロ、熟練者が3,325.59ユーロです。17歳から18歳未満と15歳から17歳未満の従業員は、成人非熟練者のそれぞれ80%、75%で、月額2,217.06ユーロ、2,078.49ユーロです。雇用者は月次給与明細を渡し、賃金と労働時間をCCSS(社会保障行政機関)へ申告しなければなりません。 雇用者は従業員をCCSSに加入させます。社会保障には、CNSを通じた疾病・出産、CNAPの年金、AAAの労災、介護保険が含まれます。従業員は病気の初日に雇用者へ知らせ、必要な診断書を遅くとも3日目までに提出しなければなりません。CNSへの診断書は3営業日目までに届く必要があります。雇用者は通常、18か月の参照期間内で数える就労不能77日目を含む暦月まで賃金を継続して支払います。規則に沿った病気休暇は、最長26週間の解雇保護につながることがあります。 年次有給休暇は通常、年間26労働日です。初年度は満1か月勤務ごとに12分の1ずつ発生し、15日を超える端数は1か月として数えます。通常、勤務3か月後から取得できます。未取得休暇は雇用関係終了時に買い取らなければなりません。出産、育児、家族理由による休暇には別の資格要件と保護期間があります。妊娠を証明すると出産保護が始まり、出産後12週間続きます。育児休暇には通常、CCSSに連続12か月加入していることが必要です。 雇用者は職業上のリスクを予防し、適切な安全衛生情報・研修を提供し、差別に対応する必要があります。同じ仕事または同等の価値の仕事をする男女には同一賃金が適用されます。モラルハラスメントは、労働者の尊厳や心身の健全性を損なう反復的または体系的な行為です。雇用者はこれを止め、状況を調査し、被害を受けた従業員を保護する措置を取らなければなりません。労働監督局ITMは順守状況を監督し、調停を支援する場合もあります。 直近12か月に従業員15人以上を雇う事業所では、通常、従業員代表団が必要です。社会選挙は通常5年ごとです。従業員15~99人の事業所は相対多数方式、100人以上の事業所は比例代表方式で代表を選びます。代表には有給活動時間、秘密保持、協議・参加の権利、解雇に対する特別保護があります。労働協約は銀行、建設、運輸、介護、警備などで業種別規則を追加する場合があります。 従業員がCDIを辞めるとき、勤続5年未満なら予告期間は1か月、5年以上10年未満なら2か月、10年以上なら3か月です。雇用者が予告期間付きで解雇する場合、通常、勤続5年未満で2か月、5年以上10年未満で4か月、10年以上で6か月です。従業員が理由を請求した場合、雇用者は真実かつ重大な理由を提示しなければなりません。請求は1か月以内に行い、雇用者は通常1か月以内に回答します。勤続5年から退職金の対象となり、5、10、15、20、25、30年の勤続しきい値に応じて半月分から12か月分の賃金となります。従業員20人未満の企業は、退職金の代わりに予告期間を延長できる場合があります。重大な非違行為では即時解雇が可能で、雇用者は通常、その行為を知ってから1か月以内に行動する必要があります。従業員150人以上の雇用者は通常、解雇前面談を行います。重大な非違行為による即時解雇では退職金は発生しません。合意退職は通常、失業給付の受給資格を生じさせません。 未払い賃金の請求は、該当手続きに応じて8営業日または15暦日の期限を設けた正式な書留通知から始められます。従業員はITMへ申し立てるか、仮救済や本訴を求められます。賃金請求の時効は通常3年です。解雇への異議申立ては、通常、ルクセンブルク、エシュ=シュル=アルゼット、ディーキルヒの労働裁判所に3か月以内に提出します。雇用者の書面回答により請求期間が1年に改めて開始する場合があります。申立書には事実、金額、法的根拠、証拠を記載します。裁判手続きは形式上、口頭です。上訴は通常40日以内、欠席判決への異議申立ては15日以内、破棄申立ては2か月以内です。裁判費用と弁護士費用は事案によって異なり、結果を保証することはできません。
ルクセンブルクの労働法
ルクセンブルクの労働法は、雇用契約、労働時間、賃金、休暇、安全衛生、代表、紛争、契約終了など、従属的な労働関係を規律します。労働法典が最低限の権利と義務を定め、労働協約が業種別の追加条件を設けることがあります。主な機関にはITM、CCSS、CNS、AAA、CNAP、ADEM、CAE、被用者会議所、労働裁判所があります。
ヒント
書面の雇用契約、給与明細、労働時間の記録を主な証拠として使ってください。署名、退職、解雇の受諾前に、賃金、労働時間、休暇、病気の連絡、解雇日を法令や労働協約と照らし合わせます。担当機関が別途確認しない限り、正式な期限は固定されたものとして扱ってください。

