ラオスの労働市場には正式な制度やサービスがありますが、多くの人は完全に正式な雇用の枠外で働いています。非公式な仕事には、自営業者、家族従業者、小規模事業、農業活動が多く含まれます。このため、仕事自体が定期的でも、書面契約、社会保障、確かな賃金保護を得にくくなります。2022年労働力調査の失業率は2.6%でしたが、この数字は不完全就業、不安定な収入、非公式労働者が直面する保護の不足を示していません。世界銀行の2024年推計では、労働参加率は男性70.7%、女性61.5%でした。 農業は最大の雇用源です。雇用に占める割合は2022年の43.5%から2024年6月には50.9%に上がりました。同じ期間に賃金雇用は43.7%から36.1%へ減り、自営業は27.6%から58.5%に増えました。農村世帯では、一部の非農業活動より収益が期待できるため、より商業的な農業へ移る動きがありました。農村の仕事は季節性が高く、非公式であることも少なくありません。都市、とりわけビエンチャン首都では、正式なサービス、産業、行政、小売、観光、組織的な職業紹介を利用しやすくなります。ルアンパバーン、チャンパーサック、サワンナケート、セーコーンも技能・雇用プログラムの対象ですが、ラオス全土の県別賃金・就職統計がすべてそろっているわけではありません。 主なほかの業種は、観光、運輸・物流、小売、衣料品製造、建設、電力、鉱業です。水力発電と鉱業は大きな投資を集めますが、資本集約型のため、規模の印象ほど雇用を生みません。2025年の成長は主に観光、運輸、小売、資源関連産業に集中しました。製造とサービスでは人手不足もあり、企業は募集職種に必要な技術技能を持つ人材が不足していると頻繁に報告しています。 訓練と技能のマッチングには、労働社会福祉省、その技能開発機関、技能開発センター、技術・職業教育訓練機関、雇用主が関わります。職業基準やコンピテンシーに基づくカリキュラムの開発・更新が進んでいます。現在の重点分野は、技能向上、再訓練、キャリア相談、学校と企業の協同訓練の促進、学校と企業の連携強化、デジタル技能、グリーンスキルです。分野によって技術技能が不足または十分に活用されず、雇用主は対人能力や外国語の不足も指摘しています。若者のおよそ10人に4人が教育、雇用、訓練のいずれにも参加していないと推計されています。タイなどとの技能認定制度は労働移動を支援できます。技能認定の対象例には、れんが積みと左官があります。 労働市場情報システム(Labour Market Information System、LMIS)とは、求職者、求人、職業、労働市場の動向に関する情報を収集・結び付けるサービスです。ラオスでは労働社会福祉省が公共雇用サービスとjob.lmi.gov.laを通じてLMIS機能を提供しています。求職者は登録、国内求人の検索、失業証明の申請、キャリアガイダンスの利用ができます。システムは労働市場予測も支援します。雇用出国システムは国外へ行くラオス人労働者を支援し、雇用許可システムはラオス国内の外国人労働者を扱い、人事管理システムは雇用主の労務管理を支援します。認可を受けた民間の職業紹介事業者も採用経路の1つです。 非公式な仕事が多く、労働者と求人が距離によって隔てられ、LMISの実施状況にも偏りがあるため、公的なマッチングは分断されています。2024年のジョブフェストでは約60社・団体が参加し、560件の求人を告知して1,700人超の採用を目指しました。これは組織的なマッチングが雇用主と求職者を結び付けられることを示しますが、労働市場全体を網羅するものではありません。国内の正式な就職手続きでは通常、公共雇用サービスへの登録、求人選択、応募、雇用主による選考を行います。訓練を通じた経路では、技術・職業教育機関または技能開発センターへの参加、技能評価、認証、国内就職が含まれる場合があります。公共雇用サービスや訓練提供者に全国一律の手数料・処理期間があることを示す根拠は確認されていません。 民間の職業紹介と国外就労では、より慎重な確認が必要です。雇用出国システム、労働社会福祉省、認可済み民間業者、二国間または覚書に基づく制度を通じた正規の国外採用がありますが、手続きは費用がかさみ、時間がかかり、複雑な場合があります。不規則な移住もよく見られ、搾取、権利侵害、採用費用を原因とする債務の危険が高まります。主な渡航先はタイで、2025年2月には登録済みラオス人労働者が32万4,000人超記録されました。韓国では2025年にラオス人労働者が約1万7,000人いました。国内移住もありますが、国全体の信頼できる数値は得られていません。帰国者には再統合支援、技能認定、追加訓練が必要になる場合があります。 2013年労働法第43/NA号は、技能開発、国内外の職業紹介、外国人労働、契約、雇用終了、賃金、社会保険、労働安全衛生、労働紛争、三者機関、監督を対象としています。雇用主は同法に基づき契約、賃金、安全、登録などの義務を果たすことが期待されます。労働者には賃金、保護、紛争に関する権利がありますが、非公式部門が大きいため執行が弱まっています。ILOは2025年、労働者のおよそ10人に9人が社会保障に加入していない一方、労働力の約52%は国家社会保障基金に拠出できる可能性があると報告しました。ラオス社会保障機構のモバイルアプリでは、非公式労働者も該当条件を満たせば、拠出を確認し、給付を試算し、申請を提出できます。 民間部門では、2024年10月1日から最低総報酬が月250万LAKに設定されました。正式な教育や訓練を受けていない未熟練者には、生計手当90万LAKが適用されますが、時間外手当、福利厚生、その他の給付は含みません。これらの基準が非公式労働者や自営業者の収入を自動的に定めるわけではありません。KPLの調査では平均月収が284万9,383LAK、平均生活費が335万7,956LAKでした。世界銀行のモニタリングでは、2024年12月の名目賃金は13%増加した一方、キープ安とインフレを反映して2024年の実質賃金は3.9%減少しました。 主な公的機関は、労働社会福祉省、雇用局、技能開発機関、県およびビエンチャン首都の労働社会福祉局、ラオス社会保障機構、教育スポーツ省、ラオス国立商工会議所、ラオス労働組合連盟です。実際に利用できるサービスは、国内の仕事、訓練、社会保障、国外への正式な採用、ラオスの就労許可のどれを求めるかによって異なります。インフレにより、賃金労働を離れて自営業、農業、国外就労に移る人もいます。そのため政策では、就職に直結する技能、女性向け訓練、デジタル・グリーンスキル、農村のバリューチェーン、雇用主と訓練機関の連携強化に重点が置かれています。
ラオスの労働市場
ラオスの労働市場は分断されており、2022年労働力調査では労働者の約86%が非公式雇用に従事していました。農業が依然として最大の雇用分野ですが、観光、運輸、小売、製造、建設、電力、鉱業にも仕事があります。正式な仕事、訓練、求職者と求人のマッチングへのアクセスは、農村県よりビエンチャン首都やほかの都市部の方が充実しています。
ヒント
最初に見つかった仕事を受け入れるのではなく、安定した収入、保護、勤務地、将来の技能価値を比べて仕事を選びましょう。正式な国内サービスや訓練は、求人の確認やマッチングに役立ちます。一方、非公式な仕事、自営業、国外採用が状況に合う場合でも、収入、費用、権利、危険をより慎重に確認してください。

