雇用主は、個人、会社、機関、団体、その他の法人である場合があります。労働法典は家族経営、家事労働、インフォーマルな雇用主も対象とするため、正式な登録がないことだけで労働監督や雇用主の義務がなくなるわけではありません。主な現地用語はemployeur、Chef d’entreprise、Chef d’établissement、représentant de l’employeurです。労働・雇用・公務員省、労働・社会法令監督局(Inspection du travail et des lois sociales)、労働裁判所(Tribunal du travail)は主要な公的機関です。CNaPS、産業保健サービス(SMIE)、FMFP、DGI、ONEFは、それぞれ社会保障、健康、訓練、税、雇用の特定機能を担います。 事業所を開設した際、雇用主は労働監督局に届け出て、最新の雇用主登録簿(registre de l’employeur)を保管します。日雇い、試用期間中、見習い、転居・移住労働者、派遣、パートタイム、在宅、季節、18歳未満などの区分には、別の記録が適用されます。雇用主は下請業者の最新一覧も保管します。監督官は職務命令を携えて立ち入り、帳簿・登録簿を調査し、家族経営や家事労働を含む正式・インフォーマルな職場の書類を確認できます。 従業員が11人を超える雇用主は、マダガスカル語、フランス語、または両言語で就業規則を作成します。規則は技術的な業務編成、規律、制裁、防御権、労働安全衛生を扱い、事前に従業員代表(délégués du personnel)の意見を聞く必要があります。賃金を定める条項は無効で、金銭的な罰金は禁止されています。懲戒措置には合理的な時間を設け、労働者が弁明する機会を与えなければなりません。 採用には個別の制限があります。民間職業紹介事業者には最長3年間の大臣承認が必要で、適用手続きに従って更新できます。応募者に紹介料を請求できず、雇用主が採用費用を賃金から控除することもできません。給与請負(portage salarial)では、請負会社が雇用主のままです。顧客企業は、臨時・非恒常業務、または必要な専門知識を持たない場合に限ってこの仕組みを利用できます。移住労働者には事前の契約ビザと就労許可が必要です。雇用主は申請と必要な健康診断を手配します。15歳未満の雇用は禁止です。法律上就労可能な未成年者には親または後見人の同意が必要で、18歳未満の労働者は1日8時間、週40時間を超えて働けず、夜勤と時間外労働もできません。 雇用主は障害のある労働者に機会均等を保障し、必要に応じて職場や安全対策を調整します。同一または同等の労働には同一賃金が適用されます。人種、肌の色、性別、宗教、政治的意見、国民的出自、社会的出自、健康、障害、組合加入、年齢、生活様式、家族状況による差別は禁止です。 2026年3月1日から、非農業の中小企業労働者の最低月額賃金はAr 300,000、時給はAr 1,730.80、拠出対象賃金の上限は月Ar 2,400,000です。農業の中小企業労働者は月Ar 304,300、時給Ar 1,521.60、拠出対象賃金の上限Ar 2,434,400です。職種、契約、部門、団体交渉により、実際の賃金がこれを上回る場合があります。日払い・週払い賃金は支払期日の8日後まで、隔週賃金は20日まで、月給は月ごとの支払期日から8日以内に支払います。雇用主はマダガスカル語、フランス語、または両言語の紙または電子給与明細を交付します。 通常の労働時間は月173.33時間または週40時間に制限されます。労働者には最低12時間の日休、24時間の週休があります。時間外労働は部門別規則に従います。雇用主はCNaPSに登録し、採用届(avis d’embauchage)で各労働者を報告し、E-CNaPSで月次申告と拠出を行います。現在のCNaPS拠出率は雇用主13%、労働者1%です。雇用主は適用上限まで総賃金の1%をFMFPへ拠出します。正式な雇用主は、社内訓練費用の70%を引き出せる可能性があります。SMIEまたはOSTIEの医療サービス拠出は、最低賃金の8倍を上限として雇用主5%、労働者1%が一般的ですが、部門とサービス契約を確認する必要があります。雇用主はすべての賃金支払いからIRSAを源泉徴収し、通常は翌月15日までに納付します。労働災害はCNaPSに報告します。 職場の安全衛生について雇用主が全面的な責任を負います。これには、予防方針、定期的なリスク評価、文書化したリスク評価(DUER)、年次予防計画(PAP)、集団・個人用保護具の無償提供・保守・交換、機械・資材の定期点検と保守、緊急時対応と応急処置、危険情報の提供、無料の安全訓練が含まれます。労働者と代表者はリスク評価と予防措置の選択に参加し、雇用主は保護措置の費用を労働者に負担させてはなりません。労働者50人以上で労働安全衛生委員会(CSST)が必要となり、企業委員会(Comité d’entreprise)と連携します。雇用主は通常SMIEを通じて産業医療を手配し、例外としてSMAEを利用します。労働者は就業開始後15日以内に加入し、健康管理は無料で賃金を減額せず、可能な限り労働時間中に行います。地域の提供事業者にはOSTIE、FUNHECE、AMIT、ESIA、SMIAがあり、OSTIEだけが選択肢ではありません。 遠隔地の職場または連続勤務の職場では、雇用主は食堂を設置するか、対話を通じて食事手当を合意します。妊娠に伴うリスクには、固定賃金を変えずに職務を調整します。妊娠を理由とする解雇は禁止です。産休は14週間で、出産後少なくとも8週間を含み、賃金全額をCNaPSと雇用主が半分ずつ負担します。授乳中の労働者は1日最大1時間の有給時間を受け、授乳室が必要となる場合があります。雇用主は職場の暴力・ハラスメントに関する方針を採用し、心理社会的リスクを評価し、利用しやすい通報経路を設け、報復から人を守り、適切な制裁を行います。 労働者は組合を結成・加入でき、雇用主も事前許可なしに団体を結成できます。雇用主は組合加入を促したり妨げたりする圧力をかけてはなりません。組合費の給与控除には、雇用主と組合の書面合意に加え、各労働者の自発的同意が必要です。従業員代表(DP)は従業員11人超で必要です。任期は3年で、月15時間の有給活動時間があり、雇用主は定期的な月例会議を行います。代表者は苦情を申し立て、労働監督局と連絡し、安全衛生と社会保護を扱い、組織改善に参加し、再編や解雇について意見を述べられます。DPの解雇には、監督官が60営業日以内に決定する必要があります。常勤労働者50人以上では、雇用主代表、選出された労働者代表、組合代表から成る合同機関の企業委員会(CE)が必要です。CEは労働条件、社会・文化事項、安全衛生、環境、経済的解雇、労働紛争について協議されます。同じ基準でCSSTも必要です。労働協約は従業員50人未満では雇用主とDP、50人以上ではCEと締結します。GEMは全国対話で民間雇用主を代表しますが、職場での義務に取って代わるものではありません。 個別紛争では雇用主または労働者が労働監督局に友好的解決を求められます。雇用関係が続いている間は、通常、裁判の前にこの手続きが必要です。監督官は違反の停止、権利回復、支払いを命じられます。解決しなければ労働裁判所が判断します。集団紛争は義務的交渉、調停、仲裁の順に進みます。雇用主は要求を受け取ってから6営業日以内に最初の交渉会合を開きます。監督官は2営業日以内に合意または不成立を記録します。その後、ストライキまたはロックアウトには2営業日前の通知が必要になる場合があります。適法なストライキは契約を停止し、現行賃金の支払いを止めますが、参加を理由に処分されず復職する権利を保ちます。雇用主がロックアウトできるのは安全上の必要性、または明らかに違法なストライキの場合だけです。違法なロックアウトは賃金や補償の責任を生じさせる可能性があります。労働監督局を通じる調停と仲裁は通常無料です。 事業所の承継、売却、合併、転換、コンセッション、賃貸の後も、新しい雇用主のもとで契約は継続します。事業閉鎖でも雇用主の義務はなくならず、この目的では破産や清算は不可抗力に当たりません。技術的失業は事前に労働監督局へ理由、期間、対象労働者を届け出て、並行してCNaPSにも知らせた後、連続最長6か月実施できます。3か月後、労働者は予告なしで契約を終了できます。6か月後も復職していなければ契約違反となり、該当する権利が発生します。国または地域の危機では、大臣命令で最長6か月の追加期間が認められることがあります。 経済的解雇は経済的困難、技術変化、または雇用を減らす組織上の理由で行われます。雇用主は事前にCEまたはDPと協議し、財務・再建情報、対象労働者一覧、再雇用優先権、雇用開発情報を開示します。代表機関には意見提出期間として20日、監督官には15営業日があります。退職補償は勤続完了年ごとに賃金10日分で、上限は6か月分です。経済的・技術的理由による重大な契約変更は書面にし、拒否された場合は雇用主側の理由によるものとみなされ、経済的解雇に伴う権利が生じます。下請業者が支払不能となり未登録だった場合、元請業者が労働者の権利と社会拠出について責任を負う可能性があります。
マダガスカルの雇用主
マダガスカルの雇用主とは、公共・民間、個人・団体、正式・インフォーマル、営利・非営利を問わず、労働者を雇い指揮する自然人または法人です。Loi n°2024-014 portant Code du travail(2024年労働法典)は、マダガスカルで契約が履行される雇用関係を対象としますが、法定公務員、自営業者、海事労働には別の規則があります。雇用主は業務を編成し、賃金を払い、労働者を登録し、安全衛生を守り、労働者代表と協議し、紛争や組織変更に対応します。
ヒント
マダガスカルの雇用主としての役割は、採用、給与、社会保険申告、安全、代表機関、組織変更が相互に関わる一体的な管理体制です。まず人員、部門、事業所規模を把握し、期限、労働者区分、リスク基準ごとに管理手順を整えてください。インフォーマルな運営、不十分な記録、協議の遅れは、小規模事業でも責任につながる場合があります。

