バヌアツには全国共通の生活費計算ツールはない。参考となる地域資料には、バヌアツ国家統計局(VBoS)の家計収入・支出調査(HIES)と消費者物価指数(CPI)、公益事業規制局の料金、教育訓練省の助成金、保健省の利用者負担規則、都市問題・計画局の住宅政策、公共陸上交通局の情報、島間交通事業者、ディジセルとボーダフォンのプリペイド料金がある。金額はバヌアツ・バツで示し、VTまたはVUVと表記する。 2019~20年のHIESでは、世帯の平均支出は年間1,221,205 VT、月約101,767 VTだった。中央値は年間1,000,000 VT、月約83,333 VTであり、平均値が典型的な世帯を同じ程度に表すとは限らない。家計資源の約67%は現金、18%は自家生産、9%は実際または推計家賃、3%は外食、3%は贈与によるものだった。人口の約40%が支出全体の約60%を占めた。2025~27年のHIESは現在も調査中であり、過去の数値は出発点にはなるが、現在の価格を保証しない。 CPIの品目構成比は、食料47%、交通13%、飲料・たばこ11%、住居・光熱9%、家庭用品4%、教育3%、通信3%、衣料・履物3%、娯楽1%、保健0.3%だった。2026年3月のCPIは前四半期比0.6%、2025年3月比1.0%上昇した。保健価格は前年同期比13.3%、教育は7.6%上昇し、娯楽は3.7%、雑貨類は3.5%、家庭用品は1.9%、飲料・たばこは1.3%上昇した。CPIは主にポートビラ、ルーガンビル、レナケルを対象とするため、離島の価格が同じ精度で計測されているとは限らない。サイクロン、輸入、燃料、貨物輸送も価格リスクを加える。 HIESによる住居・光熱の平均支出は、世帯当たり年間160,066 VT、月約13,339 VTで、支出の13%に当たる。信頼できる全国家賃一覧はない。家賃は島、居住地、土地保有形態、建物の状態、利用可能なサービスで変わる。都市周辺部では慣習地が多く、登記済みでインフラの整った土地は限られる。登記と賃借には時間がかかり、煩雑で費用が高いことがある。ポートビラの都市・都市周辺世帯の約12%が非公式な土地契約を利用していたが、確実な土地保有や完全な法的保護が得られない場合がある。最小区画面積は通常、都市部で600平方メートル、都市周辺部で1,000平方メートルである。未整備の土地では水、衛生、道路、電気の費用が追加で生じる。 光熱料金は事業者と島によって異なる。公表された電気料金の例は、UNELCOが1kWh当たり58.19 VT、VUIが57.11 VT、VUIの別途値下げ料金が2026年5月から55.89 VT、タンナ島とマレクラ島のVANPAWAが68.35 VT、ロルトンが78.06 VT、ウィントゥアとローローが67 VTである。公表された水道料金の例は、UNELCOが1立方メートル当たり91.28 VT、水資源局が52 VT、テオウマが181.54 VT、グリーンレイクが164 VT、ベルビューとビバリーヒルズが103.41~120 VT、ブクラが110 VTである。月ごとの燃料調整と料金改定が請求額を変えるため、計算には事業者と請求日を記録する。遠隔地の世帯では、雨水タンク、太陽光システム、小規模地域電力システムが利用されることがある。電力未整備の利用者向けの全国最小費用計画モデルでは、小規模地域電力システム52%、独立型太陽光33%、送電網の延伸15%と配分された。 HIESの食費は、世帯当たり年間560,026 VT、月約46,669 VTで、家計支出のほぼ46%を占めた。家庭菜園、漁業などの自家生産は現金支出を減らし得るが、時間、輸送、道具、燃料などの投入が必要となる場合がある。2025年3月のポートビラ市場調査では、前四半期と比較して供給量が66%減少し、平均価格が64%上昇した。主食の供給量は41%減り、加重平均価格は58%上昇した。食費の見積もりでは、地元生産、地元市場での購入、輸入スーパー商品、季節やサイクロンによる費用を分ける。 HIESの交通費は年間118,015 VT、月約9,835 VTだった。公共陸上交通の運賃は距離別規則に従うことになっているが、運賃制度は2025年時点で提案中、承認待ちだった。全国共通のバス・タクシー料金表は確認できていない。タクシーメーターの入札は2026年に予定されていた。バヌアツ・フェリーの住民運賃は850~13,500 VTで、成人料金の例はビラ~アンブリム8,700 VT、ビラ~タンナ9,900 VT、ビラ~サント12,200 VTであり、子ども料金は別である。離島旅行では、船や航空便に加えて貨物料金が必要となる場合がある。2026年4月に発表された政府の燃料支援策は、電力、海上・航空交通、公共陸上交通、農業の一部費用を対象としたが、自家用車の所有者を全面的には支援しなかった。 HIESの保健支出は年間2,422 VT、月約202 VTだったが、この低い平均値にはまれな高額費用が隠れている。保健省の方針では、入院、保健委員会の料金、外国籍の人の料金などの例外を除き、市民の公的医療は概ね無料である。紹介は通常、最寄りの一次医療施設から始まる。緊急でない紹介では予約や紹介状が必要になることがあり、検査、病理検査、X線、手術、交通、同行者の費用が加わる場合がある。全国共通の現行料金表は確認できていないため、医療費用の備えには移動や紹介の費用も含める。2026年の保健価格の大幅上昇により、過去の平均値の信頼性は低下している。 教育助成や補助金は施設の負担を減らすが、家庭の教育費を無料にはしない。公表されている2023年の分割支給額は、就学前教育が児童1人当たり9,000 VT、小学校が8,900 VT、中等学校が8,125 VTだった。7~13または14年生の中等教育授業料補助は児童1人当たり年間42,000 VT、2022年の寄宿費補助は寄宿生1人当たり45,000 VTだった。家庭には制服、文房具、交通、書類、寄付、寄宿、募金の費用が残ることがある。負担額は学校または事業者、州や年度の教育訓練省資金の対象資格による。 世帯人数が多いと、食料、学校、交通、医療の費用が増える。学校へのアクセス費用が就学に影響することもある。一般的な児童手当が家計支援として確立されているわけではない。確認されている児童手当は、常勤公務員を対象とし、18歳までの実子または養子を最大2人分支給し、申請と承認を要する。2019年の社会保護の対象率は13%で、引用された2022年の指標では、貧困層のうち社会扶助の現金給付を受けた人はいなかった。そのため、全国一律の家族給付を家計に見込まない。 HIESの通信費は年間36,157 VT、月約3,013 VTだった。ディジセルのプリペイド料金例は、75 VTで3時間・1GB、200 VTで24時間・2.4GB、350 VTで3日間・3GB、600 VTで7日間・6GBである。ディジセルの家庭用インターネット例は、30日間30GBで3,000 VT、60GBで5,000 VT、100GBで8,000 VT。ルーターが必要で、通信エリアは場所によって異なる。ボーダフォンのM-Vatuは主に決済サービスであり、出金手数料は240~360 VTと報告された。端末、充電用電力、チャージ場所までの移動、機器の交換費用も通信費に含まれることがある。 娯楽・文化支出の平均は年間12,122 VT、月約1,010 VTだった。カバ、飲料、たばこは別項目として記録され、平均は年間110,047 VTだった。余暇支出は、ナカマル訪問、地域活動、スポーツ、観光料金など地域的または非公式な場合が多いが、余暇や入場料の信頼できる全国料金表は確認できていない。旅行者向け料金を家庭の余暇費用としてそのまま使わない。 実用的なバヌアツの家計簿では、家賃や地代、電気、水道、通信、学費、定期的な交通などの固定現金支出と、食料、燃料、医療、余暇などの変動支出を分ける。さらに、庭や海からの自家生産、薪、贈与などの現物資源を記録し、学期、年払い、島間旅行のための積立金を加える。ポートビラやルーガンビルの世帯は、家賃、光熱、交通に多くの現金を必要とすることが多い。農村や離島の世帯は自家生産や贈与に依存する場合があるが、物流、医療、教育の移動に関するリスクが大きい。見積もりごとに島、事業者、世帯の状況、料金日、季節を記録し、料金、燃料費、学費、交通便の変更時に更新する。
バヌアツの生活費
バヌアツの生活費は、ポートビラ、ルーガンビル、その他の島、農村共同体で大きく異なる。家計の大きな部分を食料、交通、住居が占めることが多く、サイクロン、輸入品、燃料、島間輸送が急な値上がりを招く場合がある。現実的な見積もりには、現金支出だけでなく、家計内生産、贈与、季節支出、旅行や緊急事態への備えも含める必要がある。
ヒント
バヌアツの家計は全国平均ではなく、島、事業者、世帯状況、季節に合わせて作る。固定請求、変動支出、現物資源、サイクロン、紹介、貨物輸送、学期などの予備費を別々に記録する。補助金、家庭菜園の生産、非公式な取り決めは、その価値、利用条件、信頼性を確認するまで確定資源とみなさない。

