エリトリアの雇用環境は一様ではありません。国営企業が最大の雇用主であり、経済の大部分は国またはエリトリア人民民主戦線(PFDJ)の管理下にあります。小規模な民間事業者は家族経営の店舗が多く、主要な外国資本・合弁の分野は鉱業です。国家奉仕の要員が民間、公共部門、外国企業の仕事に配置または従事することがあります。インフォーマルな仕事は依然として多く、家事労働はほとんど規制されていません。そのため、正式な法的保護や執行がすべての雇用形態に及ぶとは限りません。 労働宣言第118/2001号(Labour Proclamation No. 118/2001)は、農業、漁業、鉱業、製造、公益事業、建設、貿易、宿泊・接客、運輸、金融、事業サービス、社会・個人向けサービスなどの産業事業に適用されます。国営または政府運営の営利事業や政府機関の事業も対象です。軍、警察、治安機関、エリトリア公務員、裁判官、検察官、上級管理職は同宣言の適用対象外です。 対象となる雇用関係では、書面または口頭の契約を結べます。契約には期間、雇用日、仕事内容、職場、報酬、支払方法、権利と義務、職場規則、適用される法令または労働協約上の利益を記載してください。法律より労働者の保護が弱い条項は無効です。契約は無期、有期、特定の仕事を対象とするもの、断続的なものがあります。賃金や身分を下げない範囲で、雇用主は労働者を別の職務や勤務地に異動させることができます。困難地域への異動には交通費と追加報酬が必要です。見習い契約は書面で結び、訓練内容、期間、手当の有無を記載します。見習い労働者を危険な作業に一人で従事させてはいけません。 雇用主は仕事、道具、原材料を提供し、労働者の尊厳を尊重し、法令と職場規則を適用し、訓練を実施し、契約、休暇、病気休暇、労働災害の記録を保管します。法定健康診断の費用を負担し、労働安全衛生対策を実施し、使用方法の説明とともに個人用保護具を支給しなければなりません。雇用終了時または請求時には、無料の雇用証明書を労働者に渡します。新規採用の報告は30労働日以内に労働・人間福祉省へ提出します。 通常の労働時間は1日8時間、週48時間までで、シフトも8時間を超えてはなりません。2時間を超える時間外労働には労働者の同意が必要です。祝日の勤務には通常の時間給の2.5倍を支払います。有給年次休暇は初年度14労働日から始まり、勤続年数に応じ毎年1日増え、最大35日です。有給出産休暇は連続60日間です。妊娠中は22時から翌6時の勤務と時間外労働が禁止され、医学的に証明された異動後も同じ賃金を維持しなければなりません。14歳から17歳の労働者は1日7時間を超えて働けず、18時から翌6時の勤務も禁止です。14歳未満の雇用は禁止されています。 雇用主は女性に平等な機会と同一賃金を保障しなければなりません。団体活動、苦情申立て、人種、肌の色、国籍、性別、宗教、妊娠、家族状況、政治的立場、国家奉仕または合法的な公務、診断された病気やけが、危険な仕事を拒否したことを正当な解雇理由にすることはできません。労働災害や職業病には補償が発生することがあります。完全な永久障害には年収の6倍、死亡には年収の5倍が補償され、死亡補償の最低額は15,000ナクファです。 労働監督官は労働時間中に立ち入り、記録の確認・複写、サンプル採取、検査、写真撮影、危険の測定を行えます。差し迫った危険があれば、直ちに是正命令が出ることがあります。雇用主は安全命令に対し5労働日以内に労働関係委員会へ不服申立てできますが、申立てによって命令が停止されるわけではありません。労働時間、休息、休暇の違反には最大500ナクファ、一定の記録違反には最大1,000ナクファ、安全、団体活動、命令、虚偽情報に関する重大な違反には最大1,200ナクファの罰金が科されることがあります。 雇用主と労働者には団体を結成する正式な権利がありますが、すべての団体は労働・人間福祉省への登録が必要です。必要書類がそろった申請から1か月以内に証明書が発行されることになっており、この期間に回答がなければ登録済みとみなされます。雇用主またはその団体は、賃金、安全、昇進、異動、人員削減、懲戒、職場規則、苦情、労働時間、生産性について、労働者団体または代表者と交渉できます。労働協約には省の登録が必要で、通常1年から3年有効です。登録後は対象当事者を拘束します。現在の公的報告では、エリトリア労働者全国連盟(NCEW)が唯一の合法的な労働組合です。一方、独立した雇用主団体の活動は限られ、不透明なようです。 職場の争議は通常、当事者の代表者による調停から始まります。省の調停部門が介入する場合があり、その後、仲裁へ進むこともあります。通常、15日以内に不服申立てができます。個別争議は労働部またはゾーン裁判所、集団争議は労働関係委員会が扱います。第一審労働裁判所は裁判を担当し、労働関係委員会は書類の提出要求、証人の召喚、職場の検査を行えます。不可欠なサービスには特別な扱いがあり、水道・衛生、電力、消防、病院、診療所、医薬品・薬局、通信が含まれます。団体交渉中や争議中の労働条件変更、強要、団体活動に基づく差別、加入を阻む利益供与、干渉、誠実さを欠く交渉、差別、執行遅延、違法なロックアウトは不公正な行為に含まれます。 事業の譲渡、合併、所有権の分割などの組織変更だけで、雇用契約が変更されるわけではありません。雇用主または新しい所有者は労働者の権利を維持しますが、その後、身分、勤続年数、賃金、待遇が再交渉されることがあります。国家奉仕、国民動員、または7日を超えて続く不可抗力の間は、契約上の権利義務が停止されることがあります。退職手当は解雇理由を問わず支払われ、勤続1年未満は勤続期間に応じて賃金2週間分を按分し、最初の5年間は1年につき2週間分、6年目から10年目は1年につき3週間分、11年目以降は1年につき4週間分です。国営企業は、透明性のある公的手続なしに閉鎖や変更を命じられることがあります。民間投資、労働力、外貨、資本も厳しく管理されています。民間部門の全国一律の最低賃金や、雇用主、賃金、労働監督に関する完全な公的データは確認されていません。
エリトリアの雇用主
エリトリアの雇用主は労働者を雇います。労働宣言第118/2001号は、適用対象となる雇用の規則を定めています。雇用主は仕事を提供し、労働者を保護し、記録を保管します。
ヒント
エリトリアでの雇用主の役割は、賃金を支払うだけでなく、記録に基づいて法令順守とリスク管理を行うことです。まず事業と各労働者の適用区分を確認し、契約、報告、労働時間、安全、代表活動、組織変更に関する証拠を整えてください。危険を伴う分野、国家奉仕による配属、若年または妊娠中の労働者、争議は、誤りが補償、制裁、信用上のリスクにつながるため優先して確認してください。

