アンティグア・バーブーダは、アンティグア島、バーブーダ島およびレドンダ島から成る単一国家です。主要な民事手続は、東カリブ最高裁判所(Eastern Caribbean Supreme Court (ECSC))の高等法院および控訴院が扱います。憲法上の要件を満たす場合には、さらに上級の上訴裁判所として枢密院(Privy Council)に申し立てることができます。事件の内容に応じて、最高裁判所書記局、土地・商業登記所、民事登記所、家庭部、治安判事裁判所および公的受託者が関係します。法律実務家を指す用語として弁護士(attorney-at-law)が使われます。 契約は主としてコモンローと衡平法、および個別の制定法によって規律されます。これには、物品売買についての物品売買法、割賦販売についての割賦販売法、一定の担保取引についての売渡証法、そして1997年時効法などが含まれます。例えば、単純な契約請求には六年間の出訴期間が適用されますが、その他の請求には異なる期間があり得ます。利用できる救済には、損害賠償、支払請求、特定履行、差止命令、契約解除および債権回収があります。書面または登録が必要かどうかは、契約および適用される制定法によって異なります。証拠、送達、裁判所手数料、法律上の代理および費用負担の可能性が手続に影響します。条件を満たせば法律扶助・助言センター(Legal Aid and Advice Centre)を利用できる場合がありますが、資力審査があるため自動的に無料になるわけではありません。 アンティグア島の土地所有権は、主として登記土地法およびセントジョンズの土地登記所(Land Registry)によって記録されます。アンティグアの登記簿は1975年まで遡り、所有権および負担の調査、移転および抵当権の登録などができます。借地権、地役権、共有、境界および取得時効については、制定法の規定およびコモンローも関係する場合があります。登記による権原制度(Title by Registration)に基づく古い登記も、現在の登記簿と併せて重要になることがあります。バーブーダでは土地確定手続(Land Adjudication)がかなり進展していましたが、2026年8月31日頃の開始が予定された中央登記簿の実際の運用状況は確認が必要です。 家族法には、婚姻原因法、2022年家族手続規則に基づく離婚その他の家族手続、扶養、監護、面会交流、保護監督命令および保護命令が含まれます。さらに、2015年児童(養護および養子縁組)法および1999年家庭内暴力(略式手続)法も根拠となります。手続に応じて、高等法院家庭部、治安判事裁判所の家庭部(Family Division)、民事登記所、児童保護サービスおよび支援・紹介センターが管轄または関与します。適用される規則の下では、子どもの最善の利益が最優先の考慮事項です。治安判事裁判所の家庭部で新たに家族手続を開始する場合、2022年10月20日の東カリブ最高裁判所の通知を受けて窓口での紙提出は終了しました。適用される電子提出規則ならびに個々の規則の施行時期と範囲を確認する必要があります。民事上の保護命令はここに含まれますが、別個の刑事上の結果は別に分類しなければなりません。 相続は、遺言法、無遺言相続財産法および小規模相続財産管理法によって規律されます。通常、遺言があれば遺言検認手続につながり、有効な遺言がなければ制定法上の規則に従って分配されます。遺言執行者または管理人が個人代表者として行動します。判断では、住所、資産、債務、扶養家族および遺言の有効性などを考慮する必要があります。土地の移転には土地登記所での手続も必要です。非争訟の相続財産手続は民事訴訟規則2.2の対象外であり、争訟性のある遺言検認手続には同規則第68部が適用されます。 損害についての責任は、主としてコモンロー上の不法行為法および衡平法に基づきます。典型的な請求原因には、過失、迷惑行為、不法侵入、占有者責任、名誉毀損および物品不法奪取があります。死亡に関する請求を死亡事故法(Fatal Accidents Act)に基づいて行う場合、適格な親族が一年以内に提起しなければなりません。法律改革(雑則)法の下では、過失相殺により損害賠償額が減額されることがあります。請求によっては、義務違反、因果関係、予見可能性または法的帰属と、具体的な損失の立証が必要です。時効期間は請求原因および適用される制定法によって異なり、保険会社への照会は裁判所の期限に代わるものではありません。 高等法院の民事手続は、一般に改訂2023年版の民事訴訟規則(Civil Procedure Rules (CPR))によって規律されます。通常の手続は、請求書、主張書面、送達、受領確認および答弁から、事件管理、開示、証拠、審理、判決、そして該当する場合の上訴へと進みます。適切な事件では、規則に基づき暫定的救済、欠席判決および略式判決を利用できます。治安判事裁判所にも、制定法によって設けられた簡易な民事手続があります。高等法院および治安判事裁判所の手続に対する上訴は控訴院に行われます。規則は、家族手続、倒産および清算、ならびに非争訟の遺言検認手続を除外しています。手数料、送達、証拠収集、法律費用、期間および費用負担の可能性は事件によって異なります。 執行は、CPR第43部から第52部などによって規律されます。資産および判決の内容に応じて、物品の差押え・売却を伴う執行令状、土地の占有、物品の引渡し、第50部に基づく債権差押え、第48部に基づく担保権設定命令、第51部に基づく管財人、第52部に基づく判決召喚または分割払いなどの手段があります。国に対する令状はCPR 46.6により除外されます。外国判決にはCPR第72部に基づく特別な登録・執行規則が適用されます。倒産および清算は別個の制定法上の手続です。債権者は、判決、債務者、資産、期限および適切な執行方法を確認する必要があります。手数料と送達が必要であり、実際に回収できるかは不確実な場合があります。具体的な措置を取る前に、制定法の版、改正、施行命令、書式、基準額、手数料および実務上の手続を、最新の公的情報または専門家の助言によって確認する必要があります。
民事法(アンティグア・バーブーダ)
アンティグア・バーブーダの民事法は、契約、財産、家族、相続、損害および裁判手続を含む個人・組織間の法的関係を規律します。単一の民法典ではなく、英国コモンローと衡平法、現地制定法、裁判所の判断および手続規則に基づき、法秩序の頂点には憲法があります。
ヒント
まず、契約、土地、家族、相続、損害および執行は異なる規則に従うため、問題を適切な分野と手続に割り当てます。行動する前に証拠を早期に確保し、期限、管轄、手数料および費用負担の可能性を確認します。複雑な事件や法的根拠が不明確な場合は、弁護士に適切な対応と現在の法的根拠を評価してもらうことができます。

