正式な設立にあたっては、個人事業主、パートナーシップ、有限責任パートナーシップ(Limited Partnership)、会社(Company)、またはバルバドス国外で設立された外国会社の登録から選びます。個人事業主とパートナーシップは商号登録法(Registration of Business Names Act)に基づき登録します。会社は会社法(Companies Act)に基づき独立した法人として設立されます。18歳未満、破産者、裁判所により精神的能力がないと宣告された人は会社を設立できません。原則として会社の取締役は1人で足り、確認したCAIPO資料には最低資本金の記載はありません。 企業・知的財産局(Corporate Affairs and Intellectual Property Office、CAIPO)はForm 33を用いて商号を予約します。費用はBDS $30で、通常は約2営業日以内に処理され、予約は90日間有効です。申請者は最大3つの名称候補を提示できます。名称は既存名称と同一または紛らわしいものであってはならず、会社の場合はLtd、Corp、Incなど適切な法人表示が必要です。ファクトシートによると、会社設立費用はBDS $750に名称予約料BDS $30を加えた額で、書類が揃っていれば約5営業日以内です。必要書類にはForm 33、統合Form 1、登録事務所の届出Form 4、取締役の届出Form 9、所定の宣言書が含まれます。 個人事業主として、または実際の姓やパートナー名を含まない商号で事業を行う人は、通常、事業開始後14日以内にForm 1で商号を登録します。登録情報の変更も14日以内に届け出る必要があります。有限責任パートナーシップはCAIPOに登録し、ファクトシートによる費用はBDS $2,400です。外国会社、つまりバルバドス国外で設立された会社は、バルバドスで事業を行う前にCAIPOに登録しなければなりません。 組織形態の登録後、バルバドス歳入庁(Barbados Revenue Authority、BRA)に税務登録します。BRAは税務管理情報システム(Tax Administration Management Information System、TAMIS)を通じて13桁の納税者識別番号(Tax Identification Number、TIN)を発行します。この番号は取引、申告、納税に使われます。Business Barbadosを通じた統合登録では、TIN・TAMIS登録、小規模事業者ライセンス(Small Business Licence)、税関・物品税局への登録、NISSS番号をまとめて申請できる場合があります。申請情報には、事業開始時期、売上高、外貨獲得額、資産、従業員、輸出、所有者情報などが含まれます。 確認した資料では、すべての活動に共通する一般的な事業ライセンスは確認されていません。事業モデルに応じて、計画開発局、保健・健康省、税関・物品税局、専門機関の承認が必要となる場合があります。土地の利用や開発には計画許可が必要なことがあります。環境衛生部門は、ホテル、レストラン、パン屋、スーパーマーケット、美容院などを審査し、許可します。国境を越える取引では、デジタル輸出入ライセンス、承認、証明書をBeSWIFTで取り扱います。金融機関や保険会社には、バルバドス中央銀行または金融サービス委員会などによる業種別承認が必要です。 会社は、年間課税売上高がBDS $200,000以上、または月間売上高がBDS $16,666.67を超えた場合、付加価値税(Value Added Tax、VAT)に登録します。これらの基準にかかわらず、一般向け興行の主催者は登録が必要です。標準税率は17.5%、観光客への直接宿泊サービスは7.5%、通信サービスは22%です。一部の供給はゼロ税率または非課税となる場合があります。BRAは会社の利益に法人税(Corporation Tax、CIT)を課します。課税所得がBDS $1,000,000以下の場合、現行税率は5.5%です。BDS $1,000,000超からBDS $20,000,000以下は3%、BDS $30,000,000以下は2.5%、それを超える場合は1%です。保険会社や一定の既存優遇対象事業体などには特別規則があります。バルバドス居住会社の税務上の居住地は経営・支配の所在地で判断され、その場合は全世界所得が関係することがあります。非居住会社の課税対象はバルバドス源泉所得です。 会計年度が1月1日から9月30日の間に終了する場合、税務申告と納付残額は通常、翌年3月15日までに納付します。会計年度が10月1日から12月31日に終了する場合、一般的な期限は翌年6月15日です。予定納税は会計年度末により異なり、財務諸表は添付資料です。BRAが認める事務上の期限延長は、対象期間ごとに別途確認してください。 小規模事業開発法1999-23(Small Business Development Act 1999-23)とBRA規則は、要件を満たす事業に特別な税務・支援上の効果をもたらすことがあります。2024所得年度以降のCIT税率5.5%についてBRAは、総所得BDS $2,000,000以下、払込資本金BDS $1,000,000以下、従業員25人以下、実質所有権の少なくとも75%をバルバドス居住株主が保有することなどを要件として挙げています。一定のFCP保有者、持株会社、その他の優遇措置対象事業体は除外されます。BRAの通知によると、総所得BDS $2,000,000以下の承認済み小規模事業者は、2025年に月次CIT予定納税が免除される場合があります。小規模事業者資格のCAIPO申請料はBDS $100です。 Export Barbados(旧Barbados Investment and Development Corporation)は、事業開発、輸出、イノベーション、輸出認証、市場・ネットワークへのアクセスなどを支援します。Invest Barbadosは、海外投資誘致と公的機関との連携を調整します。FundAccessは零細・小規模事業向けに融資、研修、技術支援を提供します。ファクトシートによると、Business Facilitator融資はBDS $1,000からBDS $100,000で、年利7%、返済期間1年から10年、据置期間1か月から3か月です。実現可能な事業、適切な知識・技能、自己資金の拠出がある合法的永住者などが利用できます。BDS $50,000を超える融資では、FundAccessは事業計画、財務書類、キャッシュフロー予測を求めます。事務手数料は3%で、上限はBDS $3,000です。担保が必要となる場合もあります。 Invest Barbadosによると、外国人による所有は一般に排除されていません。ただし、バルバドス国籍でない創業者がバルバドスで働く場合、開始前に移民局へ登録し、必要な就労許可を申請しなければなりません。添付書類には、バルバドス中央銀行規則に基づく投資資金の移転、CAIPOの設立証明書・定款、関連許可などが含まれる場合があります。申請料はBDS $300で、最終手数料は区分と期間によって異なります。収入がすべて外貨建ての事業は、外貨許可(Foreign Currency Permit、FCP)が必要か国際事業部(International Business Unit)に確認してください。FCPや業種別許可は会社設立によって自動的に付与されません。 会社はバルバドスに登録事務所を置き、定款・付属定款、議事録・決議、株主名簿、取締役・事務所の届出、会計記録、実質所有者情報などをそこで保管します。国内会社は毎年Form 35を提出します。1月1日から6月30日までに設立した場合は翌年6月30日、7月1日から12月31日までに設立した場合は翌年12月31日が期限です。期限後の提出には1日BDS $10、上限BDS $3,000の費用がかかります。提出されない場合、登記官は会社を登記簿から抹消する手続きを行うことがあります。一定の条件で復帰できる場合があります。登録しただけでは、あらゆる事業活動を行えるわけではありません。 商標はCAIPOに登録できます。登録は必須ではありませんが、侵害に対する権利行使を強化します。保護期間は10年で、その後10年ごとに更新できます。ファクトシートによる更新料は1区分あたりBDS $50です。登録前はTM、証明書の発行後は®を使用できます。商標、特許、意匠、著作権は経済的資産としてライセンス供与または譲渡できます。公的機関との契約では、調達契約を締結する前に無料のベンダー登録が必要です。 商号を取得する場合、登録情報の変更や事業終了届も手続きに含まれます。商号の終了はForm 4を使い、3か月以内に届け出ます。終了または変更の費用はBDS $50です。会社株式を譲渡する場合、譲受人を記載した書面を作成し、財産譲渡税と印紙税の査定のため30日以内に登記官に提出します。その後、所有権と実質所有者情報を更新します。売買契約、税務・許可リスクの審査、業種別承認の譲渡可能性は別途確認が必要です。 会社法第206条から第212条に基づき、2社以上の会社は合併して1社になることができます。Form 15を使用します。長式合併では、合併契約と特別決議も必要です。垂直型または水平型の短式手続きでは取締役決議を用います。継続登録では、会社は登録事務所をバルバドスに移転するか、バルバドスから移転できます。Form 17、Form 33、Form 4、Form 9などを使用し、資産、負債、請求、手続きはそのまま継続します。登録抹消後も会社は外国会社として存続します。 株式のない会社を任意解散する場合、取締役決議、Form 23、内国歳入庁とNISからの書簡を提出します。資産も負債もない会社では、株主の特別決議と法定宣言書も加わります。任意清算では、Form 25、清算意向通知、債権者への通知、官報または新聞への公告、資産・負債の処理を行った後、Form 23を提出します。会社は証明書の日付に終了します。事業記録は6年間保存します。商号は終了後3か月以内に登録抹消します。会社が3年間事業を開始していない、3年連続で事業を行っていない、抹消後2年以内に復帰していない場合など、登記官が会社を登記簿から抹消することがあります。
バルバドスでの事業運営
バルバドスで事業を始めるには、通常、適切な法的形態を選び、CAIPOに登録し、バルバドス歳入庁に税務登録を行い、活動に必要な許可を取得します。個人事業、パートナーシップ、会社では、責任、管理、費用、継続的義務が異なります。VAT、小規模事業者向け規則、移民・就労許可、業種別承認も適用される場合があります。
ヒント
バルバドスで事業を始める際は、法的形態、税務上の地位、営業許可を一体として確認してください。登録料の安さだけで判断しないでください。会社は独立した法人となり、商号登録、税務義務、許可、継続的な期限はそれぞれ異なる要件を生みます。契約の締結、投資、営業開始の前に確認しましょう。

