内国歳入局(Inland Revenue Division、IRD)は、内国歳入庁長官(Comptroller of Inland Revenue)の指揮の下、所得税法、付加価値税法(VAT Act 7/2005)、物品税法(Excise Tax Act 8/2005)などに基づき、所得税、法人税、付加価値税(VAT)および関連申告を管理します。税関・物品税局(Customs and Excise Division)は、輸入関税と物品税を扱います。ドミニカ国では自己申告制度と電子申告(eFiling)が利用されており、確認できる国の制度上、州や自治体に相当する別個の税務当局はありません。 居住者とは一般に、ドミニカ国に183日を超えて連続して滞在する人を指します。居住者は通常、全世界所得が課税対象となり、非居住者はドミニカ国源泉所得が課税対象です。課税対象となる個人所得には、給与所得、事業所得、賃貸料およびロイヤルティ、利息または割引益、配当、報酬、年金などが含まれる場合があります。課税所得に税率を適用する前に、居住者控除として30,000東カリブ・ドル(XCD)が適用されます。税率は、0~30,000 XCDが0%、30,001~50,000 XCDが15%、50,001~80,000 XCDが25%、80,000 XCDを超える部分が35%です。適用条件を満たす場合、住宅ローン利息、承認された寄付、学生ローンの軽減措置、財産保険または医療保険などが控除対象となることがあります。 年間所得が30,000 XCD未満で、所得が給与所得のみの居住者は、通常、個人所得税申告書を提出する必要はありません。自営業所得、事業所得、パートナーシップ所得、損失、複数の所得源がある場合など、税務規則で定められた状況では申告が必要です。ドミニカ国で事業を営む非居住者は、利益または損失の有無にかかわらず申告書を提出しなければなりません。暦年(1~12月)の居住者申告書と関連する残額の納付期限は、通常3月31日です。 雇用主は課税対象の給与所得から給与所得税(PAYE)を源泉徴収し、翌月15日までに月次申告書とともに納付します。PAYE税率は、最初の20,000 XCDに15%、次の30,000 XCDに25%、それを超える部分に35%です。雇用主は、報酬および該当する非給与支払いを含む年次申告書TD.5も1月31日までに提出します。 企業は純利益または課税対象所得の25%を法人所得税として納付します。企業は会計年度末から3か月以内に財務諸表を添えて申告書を提出します。法人税の予定納付額は、通常、会計年度の第3、第6、第9月の末までに、それぞれ25%、35%、40%です。暦年の場合、通常の日付は3月31日、6月30日、9月30日です。パートナーシップにも申告義務があります。 見込年間総売上高が250,000 XCDを超える場合、通常、VAT登録が必要です。標準VAT税率は15%で、宿泊サービスとダイビングサービスには10%の税率が適用されます。指定された医療、金融、教育、託児サービス、居住用賃貸、DOWASCOの水道水、書籍、輸送は免税対象です。米、小麦粉、砂糖、牛乳、乳児用調製粉乳、燃料、およびDOMLECの住宅向け電力の最初の100単位はゼロ税率の対象です。登録事業者はVATを徴収し、翌月20日までに申告・納付します。輸入VATは通常輸入者が納付し、輸入サービスについては通常、その受領者が計上します。VAT申告が遅れると、1か月またはその端数ごとに100 XCDが課されます。納付が遅れると、10%の加算金に加えて月1%の利息が課されます。 非居住者への支払いには、通常15%の源泉徴収税が適用されます。対象には、配当、利息または割引益、動産・不動産の賃料、ロイヤルティ、管理料、仲介手数料、報酬、年金、信託所得などが含まれます。支払者は支払い月の末日から15日以内に税を控除・納付し、必要な証明書または申告書を提出します。 物品税は、酒類、たばこ、自動車、ガソリンなどを製造または輸入する事業者に適用されます。月次申告と納付は通常20日までです。公表されている税額の例は、ラム酒1リットル当たり2.60 XCD、リキュールまたはコーディアル1リットル当たり2.60 XCD、ワイン1リットル当たり1.20 XCD、ウイスキー1リットル当たり12.60 XCD、たばこ1キログラム当たり22 XCD、ディーゼル1ガロン当たり2.38 XCD、ガソリン1ガロン当たり3.00 XCDです。自動車の物品税の例は、車種に応じて15%または28%です。税率は物品によって異なり、変更されることがあります。 旅行税は、ドミニカ国を出発地とする旅行券1枚につき7.5%です。通常、航空会社または代理店が徴収・納付の責任を負い、翌月15日までに納付します。チャーター運航者は出発前に納付しなければならない場合があります。輸入には、HS 2017に基づくCARICOM共通対外関税とCIF価格を用いて算出する関税のほか、通関サービス料、環境賦課金、物品税、VATが課されることがあります。CIF価格が150 XCD以下の宅配便貨物は関税等が免除される場合がありますが、商業、工業または職業上の用途、およびたばこ・アルコールは免除対象外です。 1~12月の課税年度では、定例の期限として、1月31日の雇用主年次申告、3月31日の個人・企業申告、残りの個人税または法人税および第1回法人税予定納付、6月30日の第2回予定納付、9月30日の第3回予定納付があります。会計年度で課税される納税者は、それぞれの年度末から計算した期限に従います。 内国歳入局(IRD)は、提出済みの申告書に基づいて税額を査定できます。納税者が申告しない場合、推計査定を行うことがあります。税務調査では、データの確認、納税者への連絡、帳簿・記録の確認または現地訪問、査定案の提示、2週間の回答期間、修正査定が行われる場合があります。申告遅延には5%、納付遅延には10%に加えて月1%の利息が課されることがあります。還付の処理時期は保証されておらず、申告日や予算・審査上の制約に左右されることがあります。 納税者は、該当する通知または査定を受け取ってから30日以内に書面で異議を申し立てることができます。さらに、通常、その後30日以内に不服審査委員会(Appeal Commissioners)へ上訴でき、可能な場合はその後に裁判所へ申し立てることができます。税務調査中、納税者には通常、査定案への回答に2週間が与えられます。 越境課税の扱いは、居住者区分、所得の源泉地、適用される協定によって異なります。ドミニカ国は、CARICOM多国間租税協定および文書で確認されている協定の一つであるスイスとの租税条約を締結しています。外国税額控除は一般に、外国で納付した税額と、外国所得に対応するドミニカ国の税額のいずれか低い額が上限です。租税条約に基づく二重課税に直面する納税者は、通常3年以内に、手数料のかからない相互協議手続を申請できます。金融機関には、共通報告基準(CRS)に基づき、報告対象地域に関する自動情報交換の義務もあります。FATCA登録金融機関の2024年分申告期限は2026年4月30日でした。国別報告は、所得税(国別報告)法4/2025に定められています。
ドミニカ国の税制
ドミニカ国の税制には、所得税、法人税、付加価値税、源泉徴収税、物品税、旅行税、輸入時の諸税が含まれます。内国歳入局(Inland Revenue Division)、税関・物品税局(Customs and Excise Division)、財務省(Ministry of Finance)が国全体の税務を管理しており、州や自治体に相当する別個の税水準は確認されていません。税率、申告義務、納付期限は、所得の種類、事業活動、居住者区分、輸入、越境支払いによって異なります。
ヒント
ドミニカ国の税務対応では、居住者区分、所得源、事業活動、越境支払いを確認してから、該当する申告を判断し、期限を管理してください。特に注意すべき実務上のリスクは、期限の失念、VATや源泉徴収の誤った扱い、追加所得があるのに給与所得のみの場合の免除を適用してしまうことです。還付や審査の時期は保証されていないため、税額、予定納付、輸入時の諸税に備えて資金を確保してください。

