法的能力によって、一般に人は権利を持ち義務を負うことができます。主な制限は、未成年で親権から解放されていない人と、法的に行為能力がないと宣告された成人に関するものです。身分証明書類は本人確認と親族関係を証明する主要な資料です。出生は15日以内に届け出る必要があります。期限後の届出には、第一審裁判所(Tribunal de Première Instance、TPI)またはカディ裁判所(Tribunal cadial)の補充判決(jugement supplétif)が必要な場合があります。既存の記録の訂正はTPIが担当します。外国人の身分関係は、その人の本国法に基づいて判断されます。 契約には、行為能力のある当事者と、物を与える、何かをする、何かをしないという目的が必要です。適法に成立した契約は当事者を拘束し、法律と同様に履行されなければならず、誠実に履行する必要があります。違法な目的または原因があると無効になる場合があります。売買では通常、物の引渡しと価格の支払いを交換します。民事上の債務には、他人の事務を管理する事務管理(gestion d'affaires)、法律上の原因がない支払いの返還に関する不当利得返還(répétition de l'indu)などの準契約も含まれます。 財産には動産と不動産があります。権利は相続、贈与、遺言、債権債務、付合、取得時効などによって生じます。土地の権利は土地所有権登記所(Conservation de la propriété foncière)に登記してください。過去の譲渡が連続していることは登記の裏付けとなり、土地登記簿への記載は第三者に対する証明となります。抵当権には法定、裁判上、約定によるものがあり、不動産または用益権を対象とします。約定抵当権には、2人の公証人、または1人の公証人と2人の証人の面前で作成する公正証書が必要です。土地の慣習的・非公式な占有は、正式な権利証に必要な証拠に代わらないため、土地・相続紛争では文書が特に重要です。 コモロ人の家族関係には家族法典(Code de la famille)が適用されます。同法典では婚姻はイスラム方式です。後見人であるワーリー(wali)、双方の同意、成人のイスラム教徒男性証人2人、婚前健康診断書が必要で、管轄裁判官の立会いの下で挙行されます。婚姻記録は15日以内に身分登録簿へ転記しなければならず、転記は無料です。登録された婚姻記録がなければ婚姻の法的効果は生じません。夫婦には同居、相互扶助、貞節、扶養の義務があります。妻は完全な行為能力と個人財産を保持します。婚姻契約に別段の定めがなければ財産分離制が標準ですが、婚姻中に取得した不動産は個人財産または相続財産と立証されない限り、共有と推定されます。 親は子どもに対して親権を行使し、扶養義務を負います。未成年の子どもの行為について民事責任を負う場合もあります。カファーラ(kafala)または親権の委任は、公正証書または判決で設定できます。離婚にはトワラカ(twalaka)、ファスフ(faskh)、フルウ(khol)があります。裁判官は住居、動産、監護、扶養、面会、財産清算を定めることができます。家族裁判の判決は通常15日以内に控訴でき、控訴裁判所(Cour d'Appel)が審理します。 相続制度は複雑に分かれています。イスラム法が適用を排除しない範囲では民法典が引き続き適用され、指定された分野ではイスラム法が規律します。イスラム法が適用される相続では、カディが記録した証明書が相続人の証明として認められる場合があります。相続した土地の登記には通常、死亡証明書と公証人、裁判所、カディのいずれかが発行する相続人証明書が必要です。単純養子縁組の子どもは、実家の姓と相続権を保持します。相続人がいない場合、国が遺産を請求できます。所有者のいない遺産については、財産局が公示と掲示の後、TPIに占有を求めます。3か月と40日後に判断が出され、請求されない遺産の管理は5年後に暫定的に移管される場合があります。相続分と手続きは適用法、家族関係、イスラム法の適用区分によって異なるため、カディまたはTPIに確認してください。 民事責任は、過失または不注意を含む民法典第1382条の過失により生じる場合があります。他人や管理下の物について責任を負う人、同居する未成年の子どもの親、家事労働者その他の被用者に対する雇用主、損害の原因となった動物や建物の管理者も責任を負う場合があります。通常の救済は、立証された損失に応じた修復または損害賠償です。 第一審裁判所(TPI)は通常の第一審裁判所で、通常は所在する島を管轄します。控訴裁判所(Cour d'Appel)には、民事、商事、社会、イスラム法の部があります。最高裁判所(Cour Suprême)は最上級の司法機関で、破棄申立てを審理します。審理は通常公開され、判決には理由が示されます。当事者は自ら弁護することも、弁護士(avocat)を選任することもできます。家族事件の控訴ではイスラム法の参審員が加わり、離婚、扶養、仮処分(référé)などの緊急事件は優先される場合があります。手続き上の適切な窓口は、TPIとカディ制度のどちらが担当するかで異なることがあります。現行の民事裁判費用や標準処理期間をまとめた表は確認されていないため、提訴前に現地で確認してください。 判決に仮執行宣言が付いている場合、直ちに執行できます。それ以外は通常、控訴期間の経過後、または既判力(force de chose jugée)を得てから執行します。強制執行の前に、公式な判決通知または送達(signification)が必要です。債権者は友好的な和解を求めるか、執行吏(huissier)または司法執行官(commissaire de justice)を通じて執行できます。自力救済で代用することはできません。民事判決は通常10年間執行でき、執行行為のたびに期間が中断して新たに始まります。第一審裁判所または商事裁判所の執行裁判官(Juge de l'Exécution)が執行紛争を扱います。債権者、債務者、影響を受ける善意の第三者、執行吏は、証拠を添えて召喚状、申立書、書面の申告により申立てられます。申立ての判断は15日以内、売却差押えに関する管轄争いは5日以内が目標とされています。裁判所書記局(greffe)は執行力のある写しを無料で発行でき、限られた収入の人には弁護士費用や執行吏費用の支援を含む法律扶助が利用できる場合があります。OHADA統一法は、商事債権の簡易回収・執行措置に適用されますが、民法全般には適用されません。
コモロの民法
コモロの民法は、人、家族、財産、契約、賠償責任、裁判手続き、執行に関する私的な関係を規律します。1974年民法典、コモロの法律、2005年家族法典、特定の民事事項に関するイスラム法が組み合わさり、OHADA規則は主に企業再建と強制執行に適用されます。身分登録、土地登記、婚姻・相続書類が、権利を証明できるかを左右することがよくあります。担当窓口は案件によって、身分登録所、カディまたはカディ裁判所、第一審裁判所、公証人、土地登記所、執行吏、その他の裁判所となります。
ヒント
コモロでは民事、家族、イスラム、OHADAの規則と関係機関が併存するため、まず担当機関と適用される法制度を確認してください。申立ての前に身分、土地、契約、裁判に関する書類を確保し、費用、期限、手続きを担当窓口に確認することで、権利を守りやすくなります。

