家族法典(Code de la famille)は、子どもの有無にかかわらず婚姻した夫婦、シングルマザーとシングルファーザー、拡大家族(famille élargie)を認めています。婚姻は家族としての法的地位の中心的な根拠です。養子縁組は単純養子(adoption simple)に限られ、子どもは元の姓と相続権を保持し、新たな法的な親族関係に全面的に置き換わることはありません。 結婚する二人は通常、どちらも18歳以上でなければなりません。重大かつ正当な理由があり、双方が同意する場合に限って、裁判官が年齢要件の免除を認めることがあります。法典上、婚姻はイスラム教の形式で行い、双方が自由意思で同意しなければなりません。女性の婚姻後見人(wali)、成人したイスラム教徒男性の証人2人、婚前証明書(certificat prénuptial)が必要です。婚姻は管轄裁判官の前で行われ、5日以内に戸籍(état civil)へ届け出なければなりません。婚姻を登録すると、家族記録簿(livret de famille)が発行されます。法典は複婚を認めており、既存の妻と新たな妻に情報を伝えることを求めています。マハルまたはドット(mahar / dot)には決まった最低額・最高額がなく、妻のものです。許可を得ない婚姻には、350,000~750,000コモロ・フランの罰金が科されることがあります。 婚姻によって、同居、扶助、尊重、貞節の義務が生じます。法典では夫が家族の精神的・物質的な主導権を担い、ナファカト(nafaqat)として、食料、衣類、住居、教育、医療などを扶養する責任を負います。妻は完全な法的行為能力を持ち、自分の財産を自由に管理できます。地域の住居・建築の慣習も、夫婦の暮らし方に影響することがあります。 両親は親権(wilayat)を共有し、子どもを虐待から守り、教育を受けさせる義務があります。扶養は未成年の子に対して継続し、成人後も子どもが必要としている場合には続くことがあります。未婚の娘に対する義務は継続する場合があります。子どもにも、状況に応じて親やほかの直系尊属を扶養する義務が生じることがあります。家族放棄には、世帯を捨てること、妊娠中の妻を放棄すること、重大な放置、裁判所命令による扶養料の不払いが含まれます。 監護(garde)は、親権に伴う日常の養育と世話を指します。裁判所は通常、子どもが判断能力を得るまで(通常は約7歳まで)母親を優先し、その後は父親、さらに母方の親族を優先しますが、子どもの最善の利益が判断を左右します。判断能力を得た子どもは両親のどちらかを選ぶことができ、もう一方の親には面会権が残ります。カファラまたは親権委任(kafala / délégation parentale)は、公証人または裁判官を通じて養育を委ねることができます。この取り決めは取り消し可能で、新たな親子関係や相続権を生じさせません。委任を受ける人は、成人したイスラム教徒で、養育に対応でき、信頼できる必要があります。子どもを引き取った人は8日以内に行政当局へ届け出なければなりません。3か月間誰も子どもを引き取らない場合、裁判所が委任を出せることがあります。全国一律の里親制度の経路は確認されていません。 出生と死亡は15日以内に届け出る必要があります。出生届は、父、母、直系尊属、近親者、出産に立ち会った人が出せます。出生の登録自体は無料ですが、出生証明書には手数料がかかります。出生届が遅れた場合は、第一審裁判所またはカーディー裁判所(Tribunal de première instance / Tribunal du Cadi)が発行する補充判決(jugement supplétif)が必要となる場合があります。出生記録は、本人確認、就学、投票権の証明に役立ちます。身分登録事務では一部に紙の手続きが残っていますが、2024~2028年の近代化事業は内務省(Ministère de l'Intérieur)が協力機関とともに進めています。 別居や婚姻解消には、夫による離婚宣言であるトワラカ(twalaka)、3回のトワラカ、死亡、妻の申立てによる裁判離婚があります。ファスク(faskh)は、扶養料の不払い、6か月以上の不在、病気、暴力などを理由とする裁判上の婚姻解消です。裁判所は通常、まず和解を試みます。フル(khol)では、妻が補償金を支払って婚姻解消を求めることができ、裁判官は過大な金額を調整できます。裁判官は、子どもの利益を考慮しながら、住居、財産、監護、扶養、面会権、母親への支援を決めることができます。離婚は戸籍に転記しなければなりません。妊娠していない寡婦の待婚期間は4か月と10日で、妊娠中の場合は出産まで続きます。 多くの世帯では、家族計画へのアクセスが難しい状態です。2022年の複数指標クラスター調査(MICS)では、既婚女性の現代的避妊法の使用率は8.6%で、2012年の14%から低下しました。全国の避妊ニーズ未充足率は36.9%でした。これは、妊娠を遅らせたい、または避けたいと望みながら、適切な方法を使っていない状態を指します。既婚の15~19歳では52.4%、未婚の15~19歳では79.2%でした。地域別の避妊ニーズ未充足率は、ンズワニで11.5%、ンガジジャで6.2%、ムワリで39.4%でした。農村からの移動、在庫切れ、交通費が利用を妨げることがあります。ASCOBEF、保健省、UNFPA、地域社会、宗教指導者が情報とサービスを支援しています。児童婚と若年母親は家族に関わるリスクとして記録されており、2023年のUNFPA報告では、女子の30%超が該当するとされています。 傾聴・保護サービス(service d'écoute et de protection)では、心理社会的、医療、法律上の支援、レイプ後のケア、性感染症の検査、病院への紹介を行うことがあります。人権総局(Délégation Générale des Droits de l'Homme)と保健省が関係する公的機関で、UNICEFは子どもと女性の保護を支援しています。偏見、差別、経済的依存によって被害が届け出られないことがあり、全国一律の利用方法や料金は確認されていません。 全国一律の家族手当や児童手当は確認されていません。対象を限定したセーフティネットや事業には、貧困世帯や脆弱な世帯、栄養、幼児期、教育、女性の経済活動を支援する現金給付、現金労働、現金給付と現物支給を組み合わせた援助があります。2023年の緊急現金給付は脆弱な世帯21,556世帯を対象とし、185,435人がセーフティネット支援を利用できると記録されました。ただし、対象、期間、金額は事業によって異なり、一般的な受給権が生じるわけではありません。全国一律の家族カウンセリング基準も確認されていません。省庁、コミューン、裁判所、保健機関、ASCOBEFなどの団体は、それぞれ異なる家族支援と保護を担っています。
コモロの家族生活
コモロの家族生活は、婚姻、拡大家族の支援、子どもや扶養家族への義務に形づくられています。家族法典(Code de la famille)は、婚姻、親による養育、扶養、監護、別居に関する規則を定め、コミューンと裁判所が身分登録や家族に関する手続きを扱います。出生、婚姻、死亡の登録は、本人確認、教育、投票、サービス利用に関わります。脆弱な世帯への支援や保護サービスは、対象を限定した事業や地域の提供者を通じて行われており、全国一律の家族給付は確認されていません。
ヒント
コモロでは、家族に関する問題が互いに影響する実務上のリスクとして扱われます。出生や婚姻が未登録だと、本人確認、就学、投票、その後の手続きで証明が難しくなることがあります。まず身分登録書類を確保し、その後、養育、扶養、監護の取り決めを記録してください。合意できない場合や安全に不安がある場合は、裁判所または資格のある地域サービスを利用しましょう。全国一律の給付、カウンセリング、保護手続きがあるとは限りません。

