カンボジアには、農業、漁業、畜産、加工、取引、調理、消費を含む一連の食料システムがあります。米が主食で、カンボジアは国内需要を満たすだけの米を生産し、輸出もしています。魚は主要なたんぱく質源で、特にトンレサップ湖、メコン川、海洋漁業の魚が重要です。豚肉、鴨、鶏肉、トウモロコシ、大豆、緑豆、キャッサバ、マンゴー、パイナップル、ジャックフルーツ、ドリアン、バナナも供給を支えています。農業は国内総生産の約35%を占め、労働人口の過半数を雇用しています。生産は、限られた技術、灌漑や輸送の不足、弱い市場とのつながり、収穫後の損失、気候関連災害の影響を受けます。 クメール料理は米に魚または肉、新鮮な野菜やハーブを組み合わせることがよくあります。一般的な調理法には、炒め物、スープ、カレー、バナナの葉で蒸す料理、焼き物、発酵があります。プラホックは調味料に使う発酵魚ペーストです。代表的な料理には、フィッシュ・アモック、ノム・バンチョック、ロックラック、クメール・レッドカレー、サムラー・カコー、クメール風酸味スープまたはサムラー・マチュー、サムラー・プロハル、バイ・スロップがあります。カンポット・ペッパーはカンポット地方に結び付き、胡椒を使う料理に用いられます。バッタンバンは米の生産で知られ、トンレサップ湖とメコン川の地域は淡水魚料理で、ケップはカニや海産物で知られています。プノンペンにはクメール料理、各国料理、市場料理、屋台料理が幅広くあり、シェムリアップには地元客と観光客向けのレストランが多くあります。村や地方の食事は、季節と地元の資源に応じることがよくあります。 人々は市場、地元商人、農業・漁業の供給網、市場の屋台、屋台料理店、地元レストラン、ホームステイ、ゲストハウスから日常的に食品を入手します。こうした提供者は一般に広く利用できます。家庭内で食べる料理を作るだけなら、通常は食品事業者としての登録は不要です。商業的な食品事業には、事業の内容とリスク区分に応じて、登録、免許、検査が必要になる場合があります。魚介類は、調理前に価格、分量、調理料金を確認してください。市場や屋台料理は、レストラン、観光客向けの提供者、輸入品より安いことがよくありますが、全国一律の食品価格はなく、場所、季節、供給、提供者によって変わります。 食品安全は生産から加工、取引、消費までの全過程に関わります。カンボジアの食品安全法は2022年6月8日に公布されました。商務省と消費者保護・競争・詐欺取締総局、関係省庁、地方当局が食品を検査し、安全でない商品、誤解を招く広告、詐欺などに対処します。輸入食品には証明書やその他の書類が必要な場合があります。省庁間省令868は商業食品に関するもので、家庭用・娯楽用の食品を対象外とします。汚染、不十分な衛生、安全でない水、農薬残留、弱い冷蔵設備、収穫後の取り扱いが、実務上のリスクになります。一般的な予防策は、瓶入り飲料水を飲むこと、熱々で作りたての食品を選ぶことです。生ものや十分に冷蔵されていない食品は、より注意して確認してください。 消費者は、安全で品質基準に適合した食品を求める権利があります。提供者には、衛生、法令遵守、検査要件、輸入規則、正確な表示に関する責任が引き続きあります。商品、誤解を招く表示、詐欺の疑いに関する苦情は、関係する消費者保護機関や政府の担当窓口に申し立てることができます。 カンボジアでは米と砂糖がカロリーの約80%を供給しています。約16%の世帯は健康的な食事を購入できず、6〜23か月の子どもの約42%が最低限望ましい食事を得ています。たんぱく質、果物、野菜、豆類、乳製品、卵が不足する食事がある一方、低栄養や微量栄養素不足とともに、過体重の問題が拡大しています。そのため、家計が許す範囲で、主食に魚、肉、卵、豆類、野菜、果物を組み合わせると、食事の多様性を高められます。 食習慣には社会的な意味もあります。家族で食卓を囲むこと、村でのもてなし、祝いや宗教行事で出されるサムラー・プロハルなどの料理は、食事を地域の暮らしと結び付けます。食料システムの計画では、健康的な食事、食品安全、バリューチェーンの強化、気候変動への強靱性、社会保障が扱われます。カンボジアの「持続可能な開発のための食料システムロードマップ2030」と「第3次食料安全保障・栄養戦略2024〜2028」は、気候に配慮した低排出の稲作、間断かんがい、強靱な養殖・畜産、アグロフォレストリー、コミュニティ漁業、コミュニティ魚類保護区、生息地・マングローブ保護などを支援します。こうした対策では、収量、輸出収入、手頃な価格、生物多様性、水利用、気候リスクの間でバランスを取る必要があります。
カンボジアにおける食
カンボジアの食文化は、米、淡水魚、肉、新鮮な野菜、果物、麺、スープ、カレー、発酵食品を組み合わせています。米が主食で、トンレサップ湖、メコン川、沿岸漁業の魚がたんぱく質の多くを供給します。市場、屋台、地元レストラン、ホームステイ、家庭料理で食べ物を入手できます。価格と品質は場所、季節、提供者によって異なります。
ヒント
カンボジアで食べ物を選ぶときは、手頃な価格、食事の多様性、安全な調理の3点を軸に計画してください。市場や屋台料理は費用を抑えやすく、地元レストラン、ホームステイ、海外料理を出す店には、それぞれ異なる利便性や選択肢があります。購入・飲食前に飲料水、冷蔵、 生もの、魚介類の価格を特に確認してください。

