カンボジアには、家族関連業務を一元的に担う機関も、全国民を対象とする普遍的な家族給付制度もありません。責任は、コミューン・サンカット当局、戸籍登録官、身分証明総局と内務省、社会問題・退役軍人・青少年復帰省および同省局、女性省、警察と王立憲兵隊、裁判所、国家社会扶助基金、子ども保護委員会に分かれています。正式な手続きには、登録事務所、行政決定、裁判所が関わります。ソーシャルワーカー、認定NGO、女性・子ども委員会、郡・州委員会、村長、長老、仏教僧が、非公式な支援や地域支援を提供することもあります。高齢者や扶養が必要な家族の日常的な介護では、親族や広い親族ネットワークが引き続き重要です。担当機関、利用できるサービス、実際の結果は、都市部・農村部、遠隔地域、ソーシャルワーカーの対応能力が限られた地域で異なり得ます。 婚姻登録は正式な法的手続きです。二人はコミューンまたはサンカットの戸籍登録官を通じて申請し、少なくとも10日間の公示の後、登録官の立ち会いで婚姻登録を行います。正式な婚姻が法的効力を持つのは登録された場合に限られます。民法は原則として双方の婚姻年齢を18歳と定めています。一方がすでに成人で、必要な親または後見人の同意がある場合、16歳から認められる例外があります。女性省の「国家行動計画2024〜2030」は児童婚を扱っています。カンボジア人口保健調査2021〜2022では、20〜24歳の女性の18%が18歳未満で婚姻または同居を開始したと報告されています。利用可能な行政情報では、身分関係の登録手続きは無料とされていますが、関連サービスすべてに適用される単一の家族手数料表はありません。 戸籍登録によって、家族関係と法的身分を証明する書類が作成されます。出生は通常30日以内に届け出て登録します。出生施設の通知書または村長の手紙が、身分・居住書類とともに登録の裏付けになる場合があります。親、後見人、その他の近親の成人が届出人になれます。死亡は通常15日以内に所管の登録官を通じて登録し、家族、医療施設、村長からの情報を利用します。ユニセフのデータでは、2021年の出生登録率は92%でした。書類の不足や地域による運用の違いによって、医療、教育、社会保護、その他のサービスを受けにくくなることがあります。利用可能な行政情報によれば、出生証明書と死亡証明書は無料です。婚姻・離婚の変更は、所定の手続き後、関係する登録簿または注記に記録されます。 家族形成や子育てには、保健サービスも関わります。保健センターと助産師が家族計画や妊産婦健診を提供しますが、利用しやすさは距離、地域での提供状況、世帯所得によります。カンボジア人口保健調査は、合計特殊出生率2.7、初産年齢の中央値23.3歳を報告しました。15〜49歳の既婚女性の62%が何らかの避妊法を、45%が近代的避妊法を利用しており、近代的避妊法の需要の61%が満たされていました。同調査では、出生の98%が医療施設で行われ、99%が技能を有する提供者の立ち会いを受けたと報告されています。これらの数値は全国調査時点を示し、すべての州や世帯で同じ利用状況を保証するものではありません。 親には、子どもを養育し、教育し、扶養する義務があります。法的に認知された子どもは平等な権利と義務を持ちます。裁判所は父子関係を判断し、親の資力に応じて定期的な養育費を命じることができます。養育費は一般に子どもが成人するまで続きます。親は、自活できない自分の親を扶養する義務を負うこともあります。家族間で介護や金銭的支援に合意できる場合もありますが、父子関係、親権、支払いに争いが残る場合は裁判所の命令が必要になることがあります。すべての家族事件に適用される全国一律の料金や確実な処理期間はありません。 別居と離婚には、地域の行政手続きと裁判所の手続きの両方が関わります。書面の申立てをまずコミューンまたはサンカット当局に提出し、同当局は15日以内に和解を試みます。和解が成立しなければ、州または市の裁判所に付託できます。合意による離婚も可能です。その他の法的理由には、扶養のない遺棄、暴力または深刻な虐待、不品行、性交不能、1年を超える身体的別居が含まれ得ます。利用可能な法律情報によると、和解には複数回の面談が行われ、各面談の間隔は少なくとも1か月、最長2か月です。裁判所は、親権、養育費、配偶者扶養料、財産に関する暫定命令を出す場合があります。親権は子どもの利益と有効な合意に従い、合意がない場合は裁判所が判断します。日常的に養育しない親も、子どもを守るために制限される場合を除き、面会権を保持します。扶養額は支払う親の支払能力に基づいて判断され、通常は子どもが成人するまで続きます。 家庭内暴力は「家庭内暴力の予防と被害者の保護に関する法律」に基づいて扱われます。警察、王立憲兵隊、コミューン・サンカット当局、村長、女性省職員、検察官、裁判所に緊急支援を求めることができます。当局は行政上の保護決定を出す場合があり、裁判所は別居、接触・立入り制限、親権、経済的支援、その他の保護措置を命じる場合があります。保護命令の手続きでは、通常、事前通知は5日以内で、緊急時には例外があります。審査は最長2か月以内に行われます。弁護士による代理が認められます。調停または和解は、一定の軽度な心理的・経済的事案に限られ、双方の同意が必要です。支援の対応能力と利用しやすさは場所によって異なります。カンボジア人口保健調査では、15〜49歳の女性の10%が15歳以降に身体的暴力を経験し、13%が過去12か月にパートナーからの暴力を経験したと報告されています。 子どもの保護は、社会問題・退役軍人・青少年復帰省および同省局、郡・州の社会問題事務所、女性・子ども委員会、警察、裁判所、ソーシャルワーカー、認定NGOが関わる分散型の仕組みです。通報後、地域で評価を行い、Primeroでケース管理を進め、家族支援、家庭復帰、親族による養育、里親養育、裁判手続きにつながる場合があります。安全で適切であれば、家族を強化し、子どもを地域の近くで暮らせるようにし、きょうだいの連絡を維持し、施設養護より家庭養護を優先する方針です。ユニセフは、施設養護の子どもが2015年から2024年に73%減少した一方、1〜14歳の子どもの66%が暴力的なしつけを経験したと報告しました。ソーシャルワーカーの配置と公的予算は限られているため、地域によって対応が大きく異なる場合があります。 親族養育と里親養育を正式に行うには、評価、選定、承認、登録が必要です。親族養育者は一般に血縁者で、住居、食料、医療、教育を提供でき、世帯構成員も養育に同意している人です。里親には夫婦または単身の成人がなれます。利用可能な枠組みには、クメール人であること、居住、年齢、健康、住居、素行、推薦状に関する条件があります。里親は通常25〜55歳で、子どもより少なくとも20歳年上である必要があります。きょうだいを除き、里親世帯が養育できる子どもは最大2人です。コミューン委員会は一時的な安全な預かり先を手配できます。養育者は日常の世話と基本的な必需品を提供し、モニタリングに参加し、住所変更を7営業日以内に届け出る必要があります。全国一律の公的支給額は、利用可能な情報では定められていません。 養子縁組は、単純で統一された家族向けサービスとして運用されていません。国内の実務は断片的で、後見、親族養育、里親養育を伴う場合があります。国際養子縁組は一元化され、厳格に規制されています。社会問題・退役軍人・青少年復帰省が、認可機関、受入国の機関、コミューン・サンカット当局、裁判所とともに国際養子縁組の中央当局を務めます。民間仲介業者、広告、子どもの引渡しを募る行為は禁止されています。2025年のユニセフと省の評価は、子どもの保護と家庭養護の基準に沿う制度整備について述べましたが、通常の国際養子縁組が一般に再開されたとはしていません。書面による養子縁組合意やコミューンの認証に言及する古い規則は、民法や新しい要件と照らして確認する必要があります。 国家社会扶助基金は、普遍的ではなく対象を限定した家族支援を行います。「ファミリー・パッケージ」は、IDPoorと社会保護登録システムを通じて2024年から全国展開されました。妊婦、2歳未満の子ども、貧困世帯の就学児、障害のある人、60歳以上の人、HIV/AIDSとともに生きる人など、特定の脆弱性を対象としています。基本給付は月約34,000リエルで、対象区分に応じて追加額があります。2025年から奨学金の構成要素が加わりました。登録と身分書類は利用に影響し、支払いは通常月ごとです。登録は自動ではありません。給付は家族としての身分だけでなく、資格要件と各制度の規則によります。 高齢者、障害のある人、その他の扶養家族の介護は、主に世帯と親族が担います。利用できる調査では、カンボジアに全国的な介護手当や長期介護保険に相当する制度は確認されていません。障害者識別カード、ファミリー・パッケージ、社会問題事務所やNGOによるケース支援が、対象を限定した公的支援となる場合があります。日常の介護費用は通常、世帯が負担します。死亡後は15日以内に登録し、死亡証明書を取得することで、身分、財産、家族関係に関する手続きを進める証拠になります。葬儀や関連儀礼は主に家族と地域のネットワークが担います。地域へのアクセス、世帯資源、障害、貧困、遠隔性、訓練を受けた職員の有無は、どの分野でも実際の結果を左右します。
カンボジアにおける家族
カンボジアの家族生活では、正式な登録、裁判所、公的サービスに加えて、コミューン、親族、地域社会の支援が関わります。婚姻、出生、死亡、親としての責任、別居、家庭内暴力、子どもの保護、扶養家族の介護には、それぞれ異なる手続きと公的支援の水準があります。利用できる支援は、書類、所得、場所、地元の職員、ソーシャルワーカー、サービス提供者の対応状況によって異なります。
ヒント
まず、当面の必要が法的証明、安全、子どもの養育、経済支援、扶養家族の日常介護のどれに関わるか特定してください。法的効力のある結果が必要なら登録機関や裁判所を利用し、実務的な支援やサービスへのアクセスにはコミューン、社会問題担当機関、地域の支援を利用しましょう。手続きと職員の対応能力はカンボジア国内でも異なるため、書類のコピーを保管し、地域の窓口で利用可能な支援を確認してください。

