国家市民警察(Policía Nacional Civil、PNC)はエルサルバドルの国家警察である。治安・司法省(Ministerio de Seguridad Pública y Justicia)、共和国検察庁(Fiscalía General de la República、FGR)などの公的機関は、予防、緊急対応、捜査、通報、被害者支援を担う。公式統計は政府の報告値であり、すべての犯罪を独立して推計したものではない。殺人件数が減っても、窃盗、詐欺、性的暴力、恐喝、誘拐、車両犯罪などの日常的リスクはなくならない。 警察の即時対応が必要な緊急事態では、PNC緊急対応ユニットの911番に電話する。無料で毎日24時間利用できる。別窓口であるPNCの123システムは、犯罪またはギャング活動の疑いに関する匿名情報を24時間受け付け、通報者に参照コードを伝える。これは情報提供窓口であり、被害者による正式な被害届の代わりにはならない。 正式な被害届は、警察署または警察詰所にあるPNC市民対応事務所(Oficina de Atención Ciudadana、ODAC)で提出できる。FGRは各検察事務所(Oficina Fiscal)でも、年中無休、24時間、通報や情報提供を受け付ける。FGRはPNCと捜査を指揮し、法律相談と被害者への付き添いを行い、法医学への紹介を発行または手配する場合がある。サービス一覧では無料とされている。通常、サルバドルの身分証(Documento Único de Identidad、DUI)、パスポート、その他の身分証明書が求められる。FGRの方針では、生命に対する犯罪、未遂、性犯罪、ジェンダーに基づく暴力、家庭内暴力、子どもが被害者の一定の緊急事案では身分証明書が不要となる。担当区域や専門分野が異なる窓口でも被害届を受け付け、担当部署へ転送する場合がある。 車両盗難には迅速な対応が必要である。911、122、2511-1000に電話して事前被害届(Denuncia Previa)を提出し、全国警報と警察の捜索を開始する。その後すぐに最寄りのODACへ行き、正式被害届(Denuncia Formal)を出す。車両番号を伝え、盗まれた身分証や車両書類も同じ被害届に含める。車両が見つかった場合は触れず、911、2511-1000、2511-1380に電話し、指示を待つ。 司法部門技術執行ユニット(Unidad Técnica Ejecutiva del Sector de Justicia、UTE)は被害者・証人保護プログラム(Programa de Protección de Víctimas y Testigos)を運営する。捜査や裁判への参加が理由で危険にさらされた被害者、証人、関係者、その他の人は、FGRまたはUTEに保護を求められる。UTEが危険度を評価し、通常、特別、緊急措置を選ぶ。PNCの被害者・証人保護部門が措置を実施する場合があり、その内容は秘密扱いとなる。被害者・証人保護部門は2204-8700またはareadeproteccion@ute.gob.sv、UTE代表番号は2204-7600。確認した情報には、保護に関する定額料金、定額給付、全国共通の補償額は示されていない。 直接的または間接的な脅威、その他の権利侵害に直面する子ども・青少年について、国家子ども・青少年評議会(CONAPINA)の119番相談・支援窓口は、無料、秘密保持、24時間対応である。県の保護委員会(Junta de Protección)、CONAPINAの事務所、SNSを通じても通報できる。役立つ情報には通報者の氏名と連絡先、分かる場合は子どもの氏名、関係する成人、正確な場所や目印、危険の内容が含まれる。エルサルバドルには16の保護委員会があり、行政上の保護措置を命じ、必要に応じて心理・法律支援や避難所を手配できる。 18歳未満の行方不明者は、FGRのどの事務所でも年中無休で直ちに届け出ることができる。11-61-11番の「行方不明の天使」警報(Alerta Ángel Desaparecido)を通じて匿名・秘密で通報することもできる。警報を起動するか、その形式をどうするかはFGRが判断する。高警報は48時間有効で、必要に応じて延長できる。即時警報は数時間以内に届け出られた行方不明を対象とし、長期間未解決の事案向けではない。青少年が自分の意思で家を出た場合、自動的に発動するわけではない。氏名または通称、年齢、性別、身体的特徴、障害や病気、服装、最後に確認された場所と時刻、疑わしい人物や車両、最近の写真、関係者の連絡先を提供する。 観光警察(POLITUR)は観光地の安全を専門とするPNC部門で、23の拠点がある。観光案内所またはPOLITURの2225-2705、2511-8302に連絡し、支援や付き添いを依頼できる。信頼できるツアー・タクシー事業者を使うと、非公式サービスへの曝露を減らせる。人里離れた道や不要な夜間移動を避け、貴重品を見えないようにし、日中に銀行、ホテル、モール内のATMを使い、車のドアと窓を施錠する。強盗に遭った場合は抵抗しない。保険会社が求める場合は警察報告書を取得する。 オンライン詐欺や不正取引は、911、PNC、FGRへ速やかに通報し、取引記録、メッセージ、端末データ、その他の証拠を保存する。確認した公式資料では、サイバー犯罪専用の公的通報ポータルは確認されていない。SalCERTは国のサイバーセキュリティ制度に位置づけられているが、被害者向けの公開窓口は確認できなかった。 全国的な非常事態措置(Régimen de Excepción)は、2022年3月27日以降繰り返し30日間延長され、54回目の延長の下で2026年9月27日まで有効だった。公式勧告では、逮捕権限の拡大や、迅速な裁判、弁護士へのアクセスなど通常の手続き上の保護の停止・制限が説明されている。殺人件数が低下しても、拘束や恣意的執行のリスクは残る。公式渡航情報は拘束や国外退去のリスクも報告し、デモや政治活動を避けるよう勧告している。
エルサルバドルの犯罪と安全
エルサルバドルの2025年公式治安報告では、殺人82件、住民10万人当たり1.3件、その他の監視対象となる重大犯罪が2024年比で51.50%減少したと記録された。残る危険には、強盗、武装強盗、車両強盗、性的暴行、恐喝、誘拐、窃盗、詐欺、カード不正利用がある。夜間、公共交通機関、交通拠点、観光地、国境付近や遠隔地の道路では危険が高まる。
ヒント
エルサルバドルでの安全は状況に応じて判断する。夜間、公共交通機関、交通拠点、観光地、遠隔地の道路など、危険が高まる場所や時間では移動方法と貴重品の扱いを調整する。進行中の緊急事態には911、匿名情報には123、正式な被害届にはODACまたはFGRを利用する。自分で事件を調べるより、証拠を保存して速やかに通報することが通常は重要である。

