リヒテンシュタインの労働市場は、人口の少なさ、強い工業・金融部門、スイス、オーストリア、ドイツとの緊密な結びつきによって形づくられています。2025年12月31日時点の就業者は43,330人で、暫定値では2024年より0.3%減少しました。仕事は46,364件、企業は5,582社でした。統計では、勤務地を基準に数える人と居住地を基準に数える人を区別します。国外に住みリヒテンシュタインで働く越境通勤者(Zupendelnde)は従業員の57.4%、24,943人でした。そのうち、スイスからが61.2%、オーストリアからが34.6%、ドイツからが2.7%、その他の国からが1.6%でした。リヒテンシュタインに住み国外で働く人は、国外へ通勤する人(Wegpendelnde)と呼ばれます。 2024年はサービス業が雇用の66.0%、工業が33.4%、農業が0.6%を占めました。過去10年間の年平均では、サービス業の雇用が約2.6%増、工業が0.2%増、農業が0.2%減でした。製造業の就業者は11,208人、金融・保険業は5,084人、建設業は2,850人でした。職場の約5分の2はファドゥーツとシャーンにありました。10年間の雇用の年平均増加率は、オーバーラントが1.6%だったのに対し、ウンターラントでは2.6%とより高くなりました。工業部門のフルタイム換算の職位では、越境通勤者が特に大きな割合を占め、68.0%でした。 2024年の総月額賃金の中央値は7,401 CHFでした。この額には13か月目の給与の12分の1と各種手当が含まれます。女性の中央値は6,864 CHF、男性は7,824 CHFで、差は12.3%でした。リヒテンシュタイン居住者の中央値は7,253 CHF、越境通勤者は7,514 CHFでした。中央値が高かったのは金融・保険業の10,209 CHF、教育の9,179 CHF、法律・税務・監査業の9,145 CHFです。農林業は3,595 CHF、宿泊・飲食業は4,926 CHFでした。これらは業界ごとの中央値であり、個別職種の賃金を保証する数字ではありません。 経済庁(Amt für Volkswirtschaft、AVW)は経済・労働市場を担当する公的機関です。その労働市場サービスであるAMS FLは公的な雇用サービスを提供します。求職者は相談、情報、資格取得支援、経済的支援、職業紹介を利用できます。企業には無料の候補者事前選考、相談、候補者プール、求人登録のサービスがあります。EURESは、リヒテンシュタイン、スイス、欧州経済領域(EWR)間の雇用移動を支援します。民間の職業紹介業者や人材派遣業者には、該当する職業紹介法に基づく許可が必要です。 資格は多くの職種への就業に影響します。職業教育・進路相談庁(Amt für Berufsbildung und Berufsberatung、ABB)は職業教育と進路相談を担当します。正規の職業訓練は、アシスタント資格なら2年間、熟練職資格なら3~4年間です。訓練は、企業、職業学校、企業間コースを組み合わせて行います。訓練契約は開始前に締結し、ABBの承認を受けなければなりません。成人は、職務経験5年を経て訓練契約なしで資格審査を受けたり、既に身につけた学習内容の認定を受けたり、短縮課程または通常の職業訓練を受けたりできます。高等職業教育には公的助成が適用される場合があります。 資格承認の要件は職種によって異なります。規制対象職種では、法律で定める資格証明と担当当局による承認が必要です。薬学、山岳ガイド、不動産仲介、看護、理学療法などが該当します。資格が承認されても、本人の適性やドイツ語能力が別途求められることがあり、自動的に開業・就業が認められるわけではありません。規制対象外の仕事では、通常、雇用主と労働市場が資格を直接評価するため、一般的な現地承認は必要ありません。 就労資格は国籍、居住地、予定する働き方にも左右されます。外国人・旅券庁(Ausländer- und Passamt、APA)は滞在および就労関連の移民手続きを扱います。リヒテンシュタインで働き、国外の自宅へ毎日帰るEEA・スイスの越境通勤者は、就労開始から10日以内に届出を行わなければなりません。第三国籍の越境通勤者は一般に、就労開始の少なくとも14日前に申請し、許可が下りてから就労できます。リヒテンシュタインに12か月を超えて住む場合はB居住許可が適用されます。審査にはEEA・スイス国籍者で約4週間、その他の国籍者で約3か月かかります。第三国籍者の就労は通常、管理職、専門職、または職業訓練修了資格もしくは豊富な職務経験を持つその他の有資格者に限られます。必要な許可を得る前に働くことは認められません。また雇用主は、資格を確認し、現地の慣行と労働市場に適合する条件を守る必要があります。 B許可申請は認可された場合1,060 CHF、却下された場合80 CHFかかり、手続き中に80 CHFを前払いします。BIB許可は、リヒテンシュタインに居住しない人が、雇用率50%以上で、12か月のうち最長180日働くことを認めます。労働市場で、2020年以来初の雇用減少が2025年に記録されました。2026年第2四半期の企業調査では、特にサービス業で人手不足が報告されました。回答企業の38%、一般サービス業の企業の55%が不足を報告し、サービス業では人員増加が見込まれていました。全体の見通しは業界一律ではなく、まちまちでした。
リヒテンシュタインの労働市場
リヒテンシュタインは住民数よりも仕事が多く、越境通勤者に大きく依存しています。2025年には、就業者43,330人、仕事46,364件、企業5,582社があり、サービス業と工業がほぼすべての雇用を支えました。賃金、資格、就労条件、求人状況は、業界や労働者の属性によって大きく異なります。
ヒント
リヒテンシュタインの労働市場は国境を越えた仕組みとして捉え、まず就労・居住形態を選び、次に資格承認、賃金、就労許可を確認しましょう。業界別賃金中央値は比較の目安としてのみ使ってください。実際の提示額は職種、雇用主、雇用条件によって決まります。必要な許可や届出が済む前に就労を始めないでください。

