保健人口省(Ministère de la Santé et de la Population(MSP))は保健政策と規制を所管する。地域局、保健地区、その技術チームが医療を組織する。施設網には公立、民間、宗教系、非営利団体の施設のほか、非政府組織が運営する施設が含まれる。提携団体の施設であることだけでは、政府資金によるサービスが利用できるとは限らない。 中央アフリカ共和国は7つの保健地域と35の保健地区に分かれている。調査対象の全国概況では、中央病院5、地域病院5、地区病院27、保健センター395、保健所567が挙げられている。WHOの2025年調査では医療施設が1,014か所と数えられた。別のHeRAMS評価では、2025年5月31日時点で保健ユニット計1,083か所を評価した。数値の違いは調査時点、定義、集計方法の違いを反映し、全国で安定した利用可能性を示すものではない。 通常は最寄りの稼働中の医療施設(Formation sanitaire(FOSA))、保健センター、保健所から受診を始める。受付、診察、トリアージ(緊急度の判定)が続く。診察結果に応じて検査や医薬品が提供されるか、地区病院、地域病院、中央病院に紹介される。距離、道路状況、安全情勢、職員、電力、水、供給不足によって、紹介や治療が遅れることがある。そのため、特定地区の現在の状況をその都度、現地で確認する必要がある。 主な疾病負担には、マラリア、ワクチンで予防可能な疾病や流行病、妊産婦・新生児のリスク、小児疾患、栄養不良、HIV、結核が含まれる。2025年には、麻疹、百日咳、髄膜炎、狂犬病、エムポックス、ワクチン由来ポリオが報告され、コレラ再流入のリスクもあった。WHOによると、マラリア罹患率は2022年にリスク人口1,000人当たり354.5件、結核罹患率は2023年に人口10万人当たり428件だった。 定期予防接種プログラム(PEV/EPI)は、常設施設、巡回活動、地域拠点を通じて定期接種を行う。主な対象は生後0~11か月の子どもである。麻疹やポリオなどを対象とするキャンペーンや、未接種・接種不十分の子どもへの接種も行われ、ビタミンAを一部で併用する場合がある。全35地区の医療従事者と地域保健員を対象とするエボラ予防接種が2026年に計画された。予防接種カードの扱いや実際の接種可能性は、場所によって異なる。 妊娠と出産には特有のリスクがある。公表された妊産婦死亡率の推計には差があり、WHOは2023年に出生10万件当たり829人、ユニセフは出典年2024年の値として882人を報告した。新生児死亡率は出生1,000件当たり約28人で、出産の約42%は自宅で行われる。WHOの直近の引用評価では、妊婦の半数未満しか妊婦健診を4回受けていなかった。35地区のうち32地区では、地域助産師1,200人超が活動していた。大量出血、けいれん、極度の高血圧、難産、発熱、新生児の呼吸・哺乳の問題があれば、直ちに紹介が必要である。 支援対象の小児保健プログラムでは、2024年に治療された疾病の約48.7%をマラリア、30.4%を急性呼吸器感染症、20.8%を下痢性疾患が占めた。保健センターや提携団体も栄養・小児保健サービスを提供するが、対象範囲は地域によって異なる。非感染性疾患やメンタルヘルスのサービスも存在するものの、地域の提供体制は断片的である。重要な重症疾患には鎌状赤血球症、リウマチ性心疾患、1型糖尿病がある。 必須医薬品・医療機器の国家リストは調達の基礎となる。MSP、ユニセフ、WHOなどが供給網を支援するが、在庫切れや冷蔵・電力の問題が起きる。薬を服用する前に、包装、使用期限、用量、必要な場合は処方箋を確認する。特定薬局や同等の代替薬が全国で確保されているとは限らない。 妊婦、授乳中の女性、5歳未満の子どもには、対象を限定した無料サービスがある。HIV・結核プログラムなどでも、検査、診断、医薬品が無料になる場合がある。支援対象の7地区では、妊婦と5歳未満児の医薬品を無料と定めていた。それでも対象資格、在庫、地区、提携団体の活動範囲には差があり、すべての医療サービスが一般に無料というわけではない。 憲法と保健政策の基盤は、公的医療施設を利用し、適切な設備を備えた施設で資格のある職員による治療を受けることを認めている。しかし、制度上の権利が実際の提供を保証するわけではない。無料の情報・苦情窓口(MSP-Ligne verte 1212)は24時間利用できる。全国共通の医療緊急・救急車サービスとして機能することは確認されていない。公表資料では全国共通の救急車番号も見つかっていない。急を要する場合は、民間、地域社会、提携団体の支援による移動手段を使うことも含め、最寄りの稼働中の施設へできるだけ早く向かうことが優先される。 伝統医療従事者(Tradipraticiens)と伝統医療は記録されているが、主に非公式である。伝統医療を統合する正式な国家政策や、全国で信頼できる免許・品質管理の仕組みは確認されていない。したがって、重症マラリア、HIV、結核、産科・新生児の緊急事態について、伝統的治療を緊急紹介や治療の代わりにしてはならない。治療後は退院時の指示、薬の使用方法、紹介先の受診予定に従う。状態が悪化した場合は直ちに再受診する。距離、不安全、供給不足、職員の交代により、継続診療が中断されることがある。病歴を正確に伝え、手元にある予防接種・治療記録を示し、処方、紹介、衛生上の指示に従うと、その後の受診が進めやすくなる。
中央アフリカ共和国の医療
中央アフリカ共和国の医療には、予防、検査、治療、医薬品、救急医療、経過観察が含まれる。制度上の医療体制はあるものの、実際の利用しやすさは地区、距離、安全状況、職員、電気・水道、医薬品の供給によって異なる。通常は最寄りの医療施設(Formation sanitaire(FOSA))が最初の窓口となり、重症の場合は上位の病院へ紹介される。予防接種、マラリア治療、母子保健、HIV・結核治療は特に重要なサービスである。
ヒント
中央アフリカ共和国の医療は、利用できる施設や紹介先が地域によって変わるものとして計画する。急を要する場合は、到達可能な最寄りの稼働中の施設を利用する。予定受診では、サービス、職員、検査、医薬品、次の紹介先を事前に確認する。全国共通の集中記録制度は確認されていないため、予防接種、治療、紹介の記録は自分で保管する。

